第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
[15/15]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
後は知らん」
「……で、でも」
「それによく考えても見ろ、殺す殺すと言ってるが、相手は40人分の魔力を持った相手だろう? しかもお前達の分も吸われている。つまり、お前達+40人分の力を持ってるって訳だ。んなヤツにお前達が勝てるわけ無いだろ。多少は強いユーリがいたとしても結果は見るも無残だ」
「アンタも勝手に決めるな!!」
志津香はそう言って憤怒をあらわにした。
だが、ランスの評価は間違ってはいない。正にその通りなのだ。この場で魔力を殆ど吸われていないのは志津香だけなのだ。マリアに至っては魔法を使えなくなるまで吸われている。
状況はちゃんと理解している。だが、それでも。
「逆に付いて行くじゃなく、止めた方がいいんじゃないか? ユーリ」
「いや、確かにランスの言うとおり。最もだ。だが、ラギシスには何処か思うところが在ってな。……野放しには出来ない。それに、厳しい戦いになるとは思うが、今ならまだ完全に使いこなせてないだう。叩くなら今だ」
ユーリは首を振った。
そして決してランスに強制をしたりはしない。
「ランスの判断も間違ってはいない。状況判断と分析は間違いなく冒険者にとっては必須の技能だからな。それにこれは仕事じゃない。命をかけてまでする事じゃないだろう」
ユーリがそう言うと、ランスはふんっとはき捨てると後ろを向いていた。
「皆さん……どうかお気をつけて」
町長の屋敷から出てきていた真知子もそう言う。これは今回最大の戦いになるだろうからだ。
「ああ。町へと情報発信と状況判断は真知子さんに任せれば大丈夫そうだ。こっちは任せたよ」
「判りました。……私は信じてますから」
真知子はそう一言だけを伝えた。
ユーリを、四魔女の皆を信じている。だから、避難はする必要なんかないと。
「ふん。オレ様は忠告したからな。おいシィル、帰り支度だ。アイスの町に戻るぞ」
「……はい」
シィルは、悲しそうな表情をしていた。シィル自身は皆に、ユーリに協力したいと考えているのだ町の皆とは今回の事で仲良くなれた。それにユーリに関しては何度も何度も助けられているという経緯もあるんだ。
だが、それでも……絶対服従魔法がかけられている為、ランスの意見には逆らえないのだ。かけられていなかったとしても、ランスと意見を違えたくない。
だから、従うしかないのだ。
「大丈夫だ。シィルちゃん、また会おう」
「私達もね? 今までありがとう。ランスもシィルちゃんも」
それが最後の一言だった。
それ以上は何も言わずに皆は志津香の後に付いていった。
「ふん。………」
「………」
残されたのはランスとシィルの2人だけ。沈黙だけが辺りを支配していた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ