暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
[2/15]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
る。

「……妹の幸せな顔を見れるだけでオレは十分ってな」
「そうだな、家族、なんだから当然だ」
「なぁ、ユーリ」

 ミリは、ユーリの傍に更に寄った。

「ちょっと、外で話さないか?」
「ああ、わかった」

 ミリはユーリを連れて外へと抜けていった。彼女達に気づいた者は誰もいなかったのだった。

「なんだ? ミリ」
「いや、所々のアンタの言葉で気になったんだが ユーリ、お前にも何かあったのか?その、《家族》についてさ」
「………」
「ユーリはオレ達を助けてくれたんだ。オレでよければ話を聞く。勿論、言いたくなかったらそれでも良いがな」
「すまないな、気を使わせたようだ」
「何、お前さんから貰ったものの方が遥かにでかいんだ」

 ミリは はっきりとそう答えた。
 妹を救ってもらい、他の皆も救ってくれた。そして 町に光も戻してくれた。これ以上無い程にしてくれたんだから。

「家族か……、オレにも、いたんだ」
「《いた》か。……すまないね。嫌な事を聞いちまって」
「いや、別に死んだと言うわけじゃない。血は繋がっていないが 兄と慕ってくれた妹、娘とそして、オレを育ててくれた母親。……今は行方が判っていないと言うだけだ。オレが冒険者をやっている理由の1つが皆との再会だな」
「そうか……オレも祈ってるよ、アンタならきっと大丈夫だ。何て言ったって英雄だからね。……家族もきっと大丈夫だ」
「ああ、ありがとな ミリ。それに、オレが英雄か? ……なんか笑えるな」
「はは、だからお前は町1つ救ってるんだ、当然そうなるだろ? オレ達にとったら間違いなく英雄だよ」

 ミリはそう言って再び笑った。この町の笑顔の数が、救った数なんだ。

「ふふ。有り難く受け取っておく。……じゃあ、オレは行くよ。あっちの方がどうなってるか気になるしな」
「お、そうか。わかった。妹や他の皆にも宜しくな」
「ああ」

 ユーリはそう答えると、第一会場である町長の屋敷の方へと歩いていった。
 あの男も大分飲んでいる筈なのに、足取りもしっかりしており、酔っているような姿は微塵も見せてはいないようだ。

「……こりゃ、酔わせてから一気に押し倒す……、てのは無理そうだな オレも負けるつもりは無いが、なんだか、アイツには勝てる気もしない」

 ミリは頭を掻きつつそう呟いていた。
 そして、思い浮かべるのは宴の数時間前にここを去って行った3人組の1人。

「う〜む……、他人になら、いざ知らず、オレ自身がほれ薬に頼るのは、確かに主義に反するっちゃ反する。まぁ、他の奴らなら問題無いな。思い出を作ってやりたいとも思うんだよねぇ、ああ言う可愛い女の子をみたら」

 女、男両方イける両刀のミリならではのセリフだろう。
 確かに正攻法で行
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ