第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
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る。
「……妹の幸せな顔を見れるだけでオレは十分ってな」
「そうだな、家族、なんだから当然だ」
「なぁ、ユーリ」
ミリは、ユーリの傍に更に寄った。
「ちょっと、外で話さないか?」
「ああ、わかった」
ミリはユーリを連れて外へと抜けていった。彼女達に気づいた者は誰もいなかったのだった。
「なんだ? ミリ」
「いや、所々のアンタの言葉で気になったんだが ユーリ、お前にも何かあったのか?その、《家族》についてさ」
「………」
「ユーリはオレ達を助けてくれたんだ。オレでよければ話を聞く。勿論、言いたくなかったらそれでも良いがな」
「すまないな、気を使わせたようだ」
「何、お前さんから貰ったものの方が遥かにでかいんだ」
ミリは はっきりとそう答えた。
妹を救ってもらい、他の皆も救ってくれた。そして 町に光も戻してくれた。これ以上無い程にしてくれたんだから。
「家族か……、オレにも、いたんだ」
「《いた》か。……すまないね。嫌な事を聞いちまって」
「いや、別に死んだと言うわけじゃない。血は繋がっていないが 兄と慕ってくれた妹、娘とそして、オレを育ててくれた母親。……今は行方が判っていないと言うだけだ。オレが冒険者をやっている理由の1つが皆との再会だな」
「そうか……オレも祈ってるよ、アンタならきっと大丈夫だ。何て言ったって英雄だからね。……家族もきっと大丈夫だ」
「ああ、ありがとな ミリ。それに、オレが英雄か? ……なんか笑えるな」
「はは、だからお前は町1つ救ってるんだ、当然そうなるだろ? オレ達にとったら間違いなく英雄だよ」
ミリはそう言って再び笑った。この町の笑顔の数が、救った数なんだ。
「ふふ。有り難く受け取っておく。……じゃあ、オレは行くよ。あっちの方がどうなってるか気になるしな」
「お、そうか。わかった。妹や他の皆にも宜しくな」
「ああ」
ユーリはそう答えると、第一会場である町長の屋敷の方へと歩いていった。
あの男も大分飲んでいる筈なのに、足取りもしっかりしており、酔っているような姿は微塵も見せてはいないようだ。
「……こりゃ、酔わせてから一気に押し倒す……、てのは無理そうだな オレも負けるつもりは無いが、なんだか、アイツには勝てる気もしない」
ミリは頭を掻きつつそう呟いていた。
そして、思い浮かべるのは宴の数時間前にここを去って行った3人組の1人。
「う〜む……、他人になら、いざ知らず、オレ自身がほれ薬に頼るのは、確かに主義に反するっちゃ反する。まぁ、他の奴らなら問題無いな。思い出を作ってやりたいとも思うんだよねぇ、ああ言う可愛い女の子をみたら」
女、男両方イける両刀のミリならではのセリフだろう。
確かに正攻法で行
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