第2章 反逆の少女たち
第27話 元凶
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そして、暫く飲んだ後。
「さて……と。向こうの方にも顔を出しに行くか。もう一度」
ユーリは、ジョッキの中のテキーラを、くっと飲みほすと立ち上がった。
向こうには四魔女の皆もいるし、酌み交わしたい者だっている。
……そう、15年以上前に再開した彼女とも話をしたいと思っているのだ。深い意味はきっと無いだろうけれど……。
「むにゃむにゃ〜……、トマトは冒険にでるですかね〜……そのとなりには〜……むにゃ」
「ほらほら、トマトさん。こんな所で寝たら風邪をひきますよ」
カウンターに突っ伏して眠っているのはトマト。
突然起き上がったかと思えば、ユーリ達共々に再び飲酒を開始した彼女だったが、元々そこまで飲める口では無かったのだが、ユーリの御酌となれば断るどころか嬉しい限りだった為、飲みに飲んで今に至る。
「そう言えば真知子さん」
「はい?」
「ここに 優希はいないのか?」
ユーリは思い出しつつそう言っていた。
確かリーザスの3人と会った後、優希にも会ったのだ。真知子の情報屋でだ。だが、この場にい無いようだからそう聞いていた。
「ああ、彼女もリーザスでの情報屋業がありますし……、長くは滞在できないみたいで、呼び出しが入って帰ってしまいました。『また、会いに来てね? 私からも行く』とだけ、言付かってます」
「そうか。判った」
ユーリは頷き、理解した。
彼女は天真爛漫で、人気もあり且つ情報屋としても一流だ。その彼女が空けていたら情報屋としてはたまったものじゃないのだろう。
「ふぅ…… こっちも大体の連中が潰れてるなぁ……、ま ペース配分を考えなかった奴等だけだとは思うが。ん?」
ミリは辺りを見渡しつつそう言っていた。
この場は、潰れたものも多いが、まだ 飲んでいる者もいる。かなりの酒豪が他にもいたのか!?って思われるかもしれないが、こっちが異常なペースで飲んでいたからこうなったんだった。……ロゼはまだ飲んでいるので、そこは流石だと言えるだろう。
ロゼだけでは無く……、真知子、ミリもまだまだ余裕をかもし出している所をみると、トップと言っていた事も嘘ではなさそうだ。
「それで、ミリは ミルの所には行かないのか? 宴の初めにも思ったが」
「ん? ああ、ここの連中にもちっと手助けしてやらなきゃいけねえ 奴等がいるし、それに今日くらいは、あのコら4人水入らずにしてやりたいって思ってるからな」
ミリはそう言って笑っていた。
4人とは、カスタムの四魔女と呼ばれていた少女。今回の事件の首謀者とも呼ばれていた者達。
だが、それは事実とは違っていた。
彼女達も被害者であり、真の意味では囚われていたんだ。それが自由になって、今は喜びを分かち合ってい
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