第2章 反逆の少女たち
第26話 祝賀会と出会い話
[7/19]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
事実。
過去の非情な事実を今日だけは考えるのをやめようとユーリは想っていた。今は、皆の笑顔を曇らせたくないから。そして、志津香の笑顔も。
心では決して笑っていないとは思うけれど、ラガールの事で頭がいっぱいだと思うけれど、今日は……。
「ユーリさんっ!!」
皆が志津香の方に駆け寄っていたのだが、ランが後ろにいたユーリの事に気づき、走ってきた。その顔はあの時のランとは同じと思えない程、笑顔で満ちている。
「あ、ありがとう……、本当に、志津香も……たすけてれくて……」
ランの目から一筋の涙が流れ落ちた。
心優しい彼女は、自分のしてきた事も悔いていたが、それと同じくらいに志津香の事も考えていたのだ。ユーリは軽く手を振った。
「当然の事をしたまでだ。それに……」
ユーリは、志津香の方を見た。
まだ、仲間や町の皆に囲まれて少しぎこちないが笑顔を見せている彼女。ユーリは強く思う。
志津香に≪また≫会えて良かった……と。
「……どうかしましたか?」
ランは、涙を拭いながらユーリにそう聞く。
「いや、ただ4人とも皆無事で良かったなと思っただけだよ」
そう言って笑っていた。
その笑顔をきっと、ランは忘れないだろう。それはランだけじゃない。ミリも、真知子も、トマトも。 彼を想っているコ達は皆、その笑顔を忘れない。
この時、彼の顔をからかう者など1人もいなかった。……一部を除いて。
「あ〜はっはっ、ほんっとに大したもんだよね〜! アンタって。そんな可愛い顔してやる事がいっつもハンパないんだから」
ロゼだけがそう言っていて笑っていた。ゲラゲラ笑いながら背中をバシバシと叩いていた。
結構力があるようで、ユーリの背中は少し悲鳴を上げているのだった。
〜カスタムの町・宴会場≪町長の屋敷≫〜
「さぁ〜〜!町を救ってくれたランスさん、ユーリさんを囲みまして〜〜」
息を、めいいっぱい吸い込んだチサが一声から、始まるのは大宴会。
「かんぱ〜〜いっ!!!」
「「「「かんぱ〜〜〜い!!」」」」
それは、ランスとユーリの成果を祝った宴。
≪ランスさん ユーリさん ありがとう町を救ってくれて。カスタムの町復興祝勝会≫
その垂れ幕が上から下ろされて、スタートした。
会場は、町一番の大きな建物、町長の屋敷が選ばれたが、町の住人の全員が参加した為、当然全員が入れるはずも無く、酒場とここの屋敷の二箇所で飲み食い放題の祝勝会を始めていた。当然、主役がいない場所でのスタートもありえないから、とりあえず、乾杯は町長の屋敷で行い、その後ランスとユーリは第1と第2へと分かれる事にしていた。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ