第2章 反逆の少女たち
第26話 祝賀会と出会い話
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っと剥がさないか! オレ様の偉大な皮が持っていかれてるではないか!!」
肌が露出していた場所も例外なくくっついており、無理に剥がせば身体の皮も剥がれてしまうのだ。
その姿を冷ややかに見ているのは、志津香。自分自身が放った魔法のせいで、こんな光景になってしまっているのだが。
「……もう一度、言わせてもらうわよユーリ」
「ま、何を言うか検討が付くが……いいぞ?」
「仲間は選んだ方が良いわ、絶対に」
呆れ果てつつ再びそう言う志津香。ユーリも今回は何も言い返さずただただ苦笑いをしていた。
「それで、帰り木は持ってる? 彼女達も早く町へと連れて帰ってあげないと」
「ああ、持ってるよ。ほら」
「ん」
志津香は帰り木を受け取ると、そのまま使用した。転移空間が現れ、町への入口が出来る。ここへ入っていけば直ぐに町へ戻れるだろう。
少女たちは次々と入っていき、残ったのはランス達を含めたユーリと志津香の4人だけ。
「おいこら! とっとと剥がさないか!!」
「ら、ランス様っ、じっとしていてくださらないと、難しいですっ」
「奴隷の癖に主人に口答えするんじゃない!」
「ひんひん……」
文句一つ言わずにせっせと剥がしているシィルにランスはそう言う。
初めてみた志津香してみれば、女の子にそんな風に言うランスが不快にしか思わないだろう。シィルがランスの事を想っているのを知らないから。
「さ、あのコ達も無事戻れたみたいだし、バカは ほっといて私達も戻りましょ」
「そうだな。町に送れたとはいえ、それは迷宮入口付近に送っただけだ。モンスターがいないと言い切れないし ランスを剥がすのにも時間がかかりそうだ。悪いけどシィルちゃんにランスは任せよう」
ユーリはシィルに耳打ちをする。
「(……ある意味では良かった結末じゃないのか? シィルちゃん)」
「(は……はいっ!)」
シィルは強く頷いていた。
ランスはくっついているから、殆ど身動きがとれず、会話も聞こえていなかったようだ。
「コラ!! 勝手に帰るんじゃない! コレを解いてけ!」
「いやいや、英雄であるランスの手にかかればこの位、簡単、楽勝だろう? 逆に手を貸すほうが無礼じゃないのか? いやー 流石はランスだな。この粘着力は半端ないと言うのに。……まさに世界の超英雄か?」
「む! ……むむ! がはは、そう、オレ様こそが超英雄ランス! この程度、貴様の手を借りんでも突破してやろうではないか!!」
あっという間に良い気分になるランスだった。
姿はとても格好悪いのに。志津香の方を見て軽くウインクすると、早足で帰り木の方へと足を運ぶ。
「さぁ、さっさと行こう」
「はぁ、随分操縦が上手いのね、これで町に戻ってもあいつは
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