暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第26話 祝賀会と出会い話
[17/19]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
を治してたのよ。それは、さっき ここを何人か通ったから、その人達に聞いたら裏が取れるわ」
「………」
「まぁ、アンタなら、ユーリくんなら、それくらい察してるとは思ったけど 世の中には凄いコがいるもんね〜……。やー ほんとびっくりだわ」
「…………」
「あら? なんで黙ってるの?」
「これ……」

 男はギルドカード、身分証明書を差し出した。僅かにだが震えている手。ロゼはある事に直ぐ気づいたが、表情は全く変えなかった。

「ん? ああ、これ……へぇ、ギルドに所属してるんだ? へー やるわね〜その歳で、ふんふん……。な〜るほど、ぷぷっ 童顔乙! って事かしら?」
「うるさぁぁぁい!!!!」

 顔を真っ赤にさせて怒るユーリ。そして、それを見て笑うロゼ。

「きゃーー おこったーーこわーーい(棒)」
「こんのーー!! 訂正しろっっ!!」
「え〜〜でも、私 間違ってないでしょ? 私よか若いし〜〜、それに10代ってのも間違ってないでしょ?」
「ぐ……ぐむむむむ……」

 そう言われれば確かに間違いない。確かにロゼは『10代?』 としか言っていない。やや過剰に接してしまったのは、自分だ。……だが、ロゼがゲラゲラ笑うもんだからこうなってしまう。

「お姉さんの方が、1枚上手みたいね? ユーリちゃん?」
「ちゃんはやめろ!!」
「きゃーー、ごめんなさいーー(棒) ならそんなユーリに良いことをしてあげよう」

 ロゼは、指をぴんと上げた。

「はぁ……はぁ……ん?? なんだよっ」
「直ぐにでも大人の階段を上らせてあげましょう! これで童貞(予想)ならぬ童顔卒業!」
「誰がするかぁぁ!!」
「い〜じゃない! 最近 悪魔のダ・ゲイルとヤってないんだし? 姫始め手伝ってよ〜」
「いやじゃぁぁぁ!!」

 ユーリは反射的に逃げていった。フードを深く被って。

「あははは、ひっさしぶりにあんな面白いヤツ見たわ。強いのに、あんななんて マジで可愛いわね」

 ロゼが笑っていたその時だった。

「ロゼ……」

 後ろから、声が聞こえてきた。聞きなれた声だ。

「……無事だったようね。私と同じ悪運強し」

 何処かほっとしているロゼがここにいた。

「……彼に斬られなかっただけだ。くたばり損なっただけだ」
「ユーリが見逃してくれたって事? 敵には容赦なさそうな感じがしたけど、そうでもないのかしら?」
「いや、他のメンバーは皆やられたよ。凄まじい手練だった、ただ……私の目を見たと思ったら剣を収めて去っていったんだ」
「………」

 ロゼはそのセリフを聞いて思い出していた。ユーリが言っていた言葉を。

「目を見たら人間性がわかる……か。本当みたいね」
「……なんだ、何か判ったのか?」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ