第2章 反逆の少女たち
第26話 祝賀会と出会い話
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聞こえてきたのだ。いつの間にここまで接近されたのかわからない。気づいたら接近されていた。それも、ここまでの強大な殺気を携えて。
流石のロゼも驚きを隠せられない。
「ストップ! 私は関係無いわよ。ただのシスター」
両手を挙げていた。ロゼは、武力など持っていない。戦える力が無い。ダ・ゲイルを呼寄せると言う手があるから、0 と言う訳ではないが、この相手では荷が重すぎる。いや、無理だと思った。直感したのだ。
「ただのシスターがなんでこんな所に?」
「勝手に派遣されたんだから仕方ないじゃない。誰が好き好んで態々カスタムからゼスにまでに。正直、来たくなんかなかったわ」
「……」
両手を挙げるロゼ。
尋常じゃない力を感じたが、不思議とロゼは殺されると言う類の予感はしなかった。殺すつもりなら有無言わずに斬られると思えるからだ。
「嘘じゃないわよ? 勿論、ALICE様に誓って」
「……わかった」
とりあえず、強大な殺気を沈めてくれた事を感じたロゼは安心する事が出来た。
「ふぅ……」
その言葉を聞いてあげた手を下ろした。
そして、ロゼは振り向く。そこには男がいた。殺気こそは 収めた様だが、まだ 警戒は完全に解いてはいないようだ。
「私はロゼ、カスタムって町でシスターをしてるんだけど、なんでかここに派遣された哀れなAL教のシスターよ」
「……」
「あら? だんまり……? 名乗ったから教えて欲しいって思うんだけど」
「ああ、すまないな。見極めていたんだ」
「何を?」
「アンタの目を見て……人間性をな」
「ははぁ、それでどう見えたのかしら?」
「いろんな意味で掴めない。……が、お前は嘘を言ってるようには見えない、ってな。嘘は言ってないが肝心な所は隠してるイメージもある」
「あはは、すごいわね、アンタ。目だけでそこまでわかるのかしら?」
「ああ」
男は軽く笑っていた。
ここまで余裕があるのかは、もう町の住人の全てが退去できているからだ。位置的にはここは最後尾。住人を狙うにはこちらから追いかけなければならない。
しんがりに立つつもりだったが、もう粗方狙ってくる者達は一掃できたようだから。
「それで、名前、教えてくれないの?」
「ああ、そうだな。オレの名はユーリ。ユーリ・ローランドだ」
そう答えて男はフードを取った。
その素顔を見てロゼは今度は本気で驚いていた。
「うっそ……、メチャ若いじゃない? 10代?」
「……」
「一応白状しとくけど、派遣されたってのは ヒーラーとして、あいつらの補佐をしろって言われたここに派遣された。でも、するつもりなんか毛頭無かったから関係無いって言ったの、その代わり、逃げてきた町の住人で怪我してる人
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