第2章 反逆の少女たち
第26話 祝賀会と出会い話
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に死が迫っているのを……直視することなんて出来なかった。この連中の剣は、老若男女関係ない。男だろうが、女だろうが、剣を振るっているのだから。
だが……幾らたっても痛みは訪れない。だから、片目をあけたところ……。
「ぐ……が……」
その衣を纏った男の腕が宙に舞っていた。
「ぎゃああああ!!!」
そして、時間軸がずれているかのように遅れて悲鳴が響き渡っている。後ろには誰かが立っていた。
フードを被っていて、その素顔は見る事は敵わない。
「な、なにぃ! 貴様、何者だ!!」
「これから死ぬ輩に名乗る必要あるのか?」
「我々は神の使者であるぞ!! 貴様!!」
「ご生憎……。……オレは神が嫌いだ」
男は剣の柄を握ったと殆ど同時だ。町を蹂躙しているメンバーの3人を一気に斬り伏せた。
「あ、あ、……」
その光景を見たシスターは、混乱して、動くことが出来ない。
男は、その自分の手を強く握り引き上げる。
「ちっ……。火のまわりが早い。早く避難しろ、まだ、町には何人も残っているのだろう!」
「は、はい!!」
それは、有無を言わさぬ迫力だった。
畏れて動けない自分に活を入れてくれて、立たせてくれた。そして、使命を思い出させてくれていた。
避難路を確保し、皆を必ず逃がすと言う使命を。
「ここから東だ。ゼス宮殿まで兎に角 逃げろ。奴らは、オレが止めておいてやる」
「わ、わかりました!」
誘導に従い、住民は一気に動き出した。その目立った行動をあの連中は見逃す筈も無い。だが……。
「うぎゃああ!!」
「ぐぎゃあああ!!」
「がはぁぁぁ!!」
瞬く間に斬られ物言わぬ身体となってしまうのだから。……だから、何も問題なかった。
離れで待機していたロゼは思わず絶句する。
確かに何名かは抜けてくるだろうと思っていたが、人数が多すぎるのだ。町の住人の全員が着ているのではないか?と思える程の数。
「……失敗したって事よね? ざまぁみろってね」
確かに絶句はする光景だが、……正直な所、内心では喜ぶロゼ。
これで、町の住人が完全に避難できればこの辺りでは警戒されてしまい、二度と同じコトは出来ないだろう。
正体を隠しているとはいえ、何処から襤褸が出るか判ったものではない。つまりは。
「エンロンのじじぃのあの汚い顔面におもっくそ、泥がぶち当たったって事。ははっ! いい気味ね、でもアイツは無事かしらね」
ロゼはもう笑っていたが、昨夜相談してきた彼については笑えなかった。失敗したと言うことは、何か合ったと言うことなのだから。その時だ。
「……お前も連中の仲間か?」
突然背後から声が
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