第2章 反逆の少女たち
第26話 祝賀会と出会い話
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た。確かに間違っているとは思っている。だが、自分の命を懸けてまで、とめてやろうと言う気概は彼女には皆無だ。
それは、誰しもが同じコトだろう。
極貧の隣国で飢餓に苦しんでいる者がいても、裕福な国の住民は手を貸さない。……そんな事が出来るのなら、この世界で同種族間で戦争など起こらないだろう。
「はぁ……、でも、目覚めが悪いのは事実。何人かこっちに来たら無料で治療してあげましょうかね」
ロゼはそう呟いていた。
町の住人が強力し合って遂に突破口を開いたその時だ。
「………」
その脱出先に無数にいる人影がいた。夜の闇の中、炎の光で照らされた闇の衣を纏っている姿。
まるで、悪魔のように佇んでいた。炎の光ゆえに、その影を妖しく揺らせながら。
「異教徒共よ……、貴様らは生きているだけで大罪だ。神の名において裁きを与えてやる」
その衣の下では下衆びた笑みを浮かべているようだった。
「な、なんのことだ? 何かの間違い……ぎゃああっ!!」
その神と言うなの、悪魔の剣が、逃げ惑う市民の胴に突き刺さった。
「神の裁きを受けよ!!」
「ひ、ひぃぃぃ!!」
「た、たのむ、ま、町には子供たちが……! その子たちだけは見逃してくれっ!」
次々と斬られていく、住人達。それを見た1人がそう懇願した。まだ 幼い子供達も多く町に残っているのだ。 だが、そんな懇願を訊いても、剣を振るうのを止めない。ただ、その甲冑、仮面の奥で、嗤っているのは判った。
「悪魔の子を? 冗談であろう」
「っっ!!」
無慈悲と言う言葉が一番しっくりくる。
悪魔の姿と形容したのは間違いではなかった。攻撃魔法は、殆ど火を消すのに使ってしまい、もう魔力も残っていない。だから……攻撃をすることも叶わないのだ。
「わ、私達が、一体何をしたと……」
目の前で何人かが切られていく姿を見て思わず涙を浮かべて膝を落とす少女。
彼女は町の教会のシスターであり、治療を施しながら何とかここまで来られたのだ。だが……そこで待っていたのは……、悪夢の光景だった。
「……神の裁きだ。異教徒よ」
「っ……そ、そんな」
裁き?何が裁き……?
ここの町の皆は、歴史を忘れず、感謝を忘れていないだけの人たちだ。カラーと言う種族は様々な国に狙われている存在。それなのに、嘗て我々を助けてくれたのがカラーだった。
だから、この町ではその神を祭った宗教が布教された。
それだけで……裁きがあるのか。
あまりにも理不尽な出来事だった。
だが、もう考えている時間はなさそうだ。その凶刃がもう目の前にまで迫ってきているんだから。
「ッ!!!」
反射的に目を閉じていた。
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