第2章 反逆の少女たち
第26話 祝賀会と出会い話
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」
沈黙が流れる。
ロゼも軽口とは言っているがその瞳の奥は真剣だった。
「……すまなかった。弱気になってしまったな。私はもう何度も手に染めていると言うのに」
「次からは無料じゃないからね。上手い酒とGOLDを持ってくるのね。ロゼさんの懺悔室代金は高いのよ?」
そう言って肩を軽く叩いた。そして、その肩をぎゅっと掴む。強く……。
「今は耐えなさい。としか言えないわ。このイカれた世界、結局は、神も悪魔も同じって事なのよ。ただのカードの裏と表。何が正義、何が悪。そんなの誰にもわかんないんだから。勝った方が、生き残った方が正義になるとも言うかもね」
ロゼはそう言うと、宿屋の中へと消えていった。残されたのは男1人。
不思議だ。
彼女とは何度か話をしている。
そして何度も救ってくれている。……めんどくさそうにしているが、彼女がその気になれば、何処までも行けるだろうと思える程の器を持っていると強く思う。
「……私よりも、な」
この男はテンプルナイツの一員だが、その中でも最も司教に近いと呼ばれている。まわりの信頼もあるのだ。望んで受ければ次回辺りに……。
だが、自分より相応しい者はいるだろう。
「明日は、暑い日になりそうだ……」
そう言うと、男も宿屋へと消えていった。
〜ゼス王国領土 パリティオランの町〜
それは、予定通り。だが、町の住人にとっては 突然起きた。
「う、うわぁあぁ!!なんだっ!!!」
突然、町を取り囲むように火の手が上がったのだ。炎は瞬く間に勢いを増し、周囲の建物に燃え移る。町を囲む様に燃え上がっているのは、周囲の空を見れば一目瞭然だった。
「み、みんな!! 起きろぉぉ!!!」
1人の男が櫓に登り 鐘を打ち鳴らした。
その音に気づいて皆が家から飛び出してた。
「何、何が起きてるというのだ!? 炎がこんなにっ! まさか……ドラゴンが!?」
「い、いえ、そんな影は見当たりません!」
「だが、それ以外に何があるというのだ!? この強大な火の手、他に説明が……」
「今はそれよりも町の住民の避難が先決です! い、いそいで指示を!!」
「う、うむ!」
町を預かる町長とその秘書。
迅速な対応を取ることが出来た。確かに勢いは凄まじかったが、井戸もある為、消火用の水も確保できる。そして、強力な使い手か?言われれば首を横に振るが、魔法大国ならではであろうが、魔法使いも大多数いる。火消しをしながら突破口を開けば脱出する事は十分に可能だった。
……だが、その先が一番残酷な未来が待っているのだった。
「……始まったようね」
ロゼは、その火の手が上がるのを見てい
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