第2章 反逆の少女たち
第26話 祝賀会と出会い話
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薄く開いた瞳の中には欲望の塊の様な眼光をさせている。イヤシンス達は、彼の車椅子を押しながら部屋から出て行った。
「それでは、我々も解散いたしましょう。良い報告を願いまして」
男の1人がそう言うと、席を各々が立ち上がり去ってゆく。
「(ふん……彼は次回のテストに向け、既に始動した、と言う事か 法王も今は謁見中……あの生きる屍を掌握するのは造作も無い。それに成功すれば良し、失敗すれば尚良しの二段構えですからね。一応あんなバケモノでも、今の所は、最大のライバルですから)」
4人中最も権力を持っていると言われている壮年の男性。
その表情は決して笑顔を崩さない、まるでそれは貼り付けられたかのようだとも捕らえられる。そして、男は一笑すると、姿を消した。
GI1014 8月
〜ゼス王国領土 パリティオランの町〜
そこは、北は翔竜山、西には魔人界。
2つの凶悪な土地に隣接する町。だが、そこでは独自に気づき上げた神を祭り上げていた。嘗て、天使にも悪魔にもなる事を拒んだカラーに救われた町。ドラゴンに襲われた時に天より現れたそのカラーに救われた町。
故にこの町 パリティオランでは AL教は布教しておらず、独自にそのカラーを神と崇めているのだ。
それはもう先々代も前のカラーの女王の話。
「か……カカカカ! い、い、異教徒を、重んじる……とは、AL教布教の妨げ……にな、る! 布教率を、上げるには、手っ取り早いのぉ……」
ニヤリと笑いを浮かべる老人。
小規模の町とは言え、人口を考えればそれなりにはいる町。その一つが≪不幸な事故≫で潰れたとすれば……?
「か、かかか……!!」
笑いが止まらない様子だ。
不幸な事故と言うのは表向きの話。この町には元々危うい状況なのだ。
魔人界と翔竜山に囲まれていると言う時点でいつ何が起きてもおかしくない町だ。魔人、魔物、そしてドラゴン。不安要素は幾つもあるのだから。
「けけ、決行は、あ、あ、明日……だ。各々、じゅ、準備を、怠るな。ワシ、は 吉報を待つ……とする」
「……はっ」
テンプルナイツの面々は命令どおりに頭をすっと下げていた。
決して今回の事を納得して遂行している者だけと言うわけではない。事前の調査では、あの町には女子供も多数暮らしており、何もしていない。
滅ぶ理由がまるで無い。
ただ……そのカラーを崇めると言う事を決してやめないと言うだけだった。
「(……私は、どうすれば良いのだ)」
自身の手が震えているのが判る。どうしようもなく震えている。
他のメンバーはどうなのだろうか、自身の出世の為、もしくは逆らえば宗教裁判にかけられても不思
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