マブラヴ
1077話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
恭順派の本拠地と思われる場所で起こった大規模な爆発。
その威力は凄まじく、空中に浮かんでいた機体の殆どがその爆風によって呷られ、バランスを崩す。
俺が乗っているミロンガ改もそれは同様だ。
装甲を極限まで薄くしている機体だけに、G・テリトリーやEフィールドがあっても爆発の影響は思い切り受ける。
幸いバリアのおかげで直接的な被害は受ける事はなかったが、それでもまるで何かの入れ物に入った状態のままに空中を揺らされるという状況になっていた。
「ちぃっ、くそがっ! T-LINKシステムがあれば手っ取り早いってのに!」
吐き捨てながらも、まるで嵐の中の小舟の如く揺れているミロンガ改の機体各所に存在しているスラスターを使って空中でバランスを取る。
これがニーズヘッグのようにT-LINKシステム採用機であれば、わざわざ操縦しなくてもT-LINKシステムにより殆ど感覚的に機体制御が出来るのだが。
だが、ミロンガ改は技術班のお遊び的な意味で改修された機体だ。当然T-LINKシステムがある訳もない。
いや、そういう意味では純粋に俺の足用として改修されたサラマンダーにしてもT-LINKシステムは使用されていないのだ。ミロンガ改にT-LINKシステムが搭載されている筈もないだろう。
内心で悪態をつきながらも、スラスターの調整をしながら空中で体勢を立て直す。
爆発が起きてから数秒。恐らく10秒は経っていないだろう。
事実、俺がミロンガ改の体勢を立て直してから数秒が経ち、ようやくコーネリアのラピエサージュも体勢を立て直す事に成功しているのだから。
「コーネリア、無事だな」
『ああ。特に怪我はない。だが……いや、その前にオウカ、レイ。そちらはどうだ?』
『な、何とか無事です』
『ちぃっ、ちょっと待って下さい。もう少し……ふぅ、こちらも問題はありません』
オウカとレイの機体も無事体勢を立て直すことに成功している。
量産型Wやメギロートの方も、更に数秒遅れてではあるがようやく体勢を立て直した。
少なくてもシャドウミラーではあの爆発の被害を受けている機体はいないらしい。
これも、念動力の直感に従って叫んだ俺の声にコーネリアがすぐさま反応したからだろう。
だが……
『アメリカ軍の戦術機が……』
ポツリと呟いたのはオウカ。
ヒュッケバインMk-Uの顔が向けられている方向では、F-15E数機が揉み合って地面に激突したのだろう。中破……いや、大破と呼ぶべき状態になっているのが分かる。
他に生き残っていたF-15Eにしても、その殆どが爆風により地面へと叩きつけられていた。
……戦術機、だしな。
映像モニタに映し出されている光景に思わず納得してしまう。
第2世代戦術機が回避能力に重き
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ