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転生とらぶる
マブラヴ
1077話
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になるような事は一切ないように思える。
 けど……違和感、そう、違和感がある。
 爆発を察知した時のような違和感ではなく、長年軍人としてやってきたからこその違和感。

「……小太郎。さっき言っていた、脱出した2人。何でそこを脱出したんだ?」
『うん? えっと……夏美姉ちゃん、何でやったっけ?』
『確か、何か持っていったみたいだよ。何かまでは分からなかったけど』
『書類のような物を持っていたでござるな』

 書類? まぁ、無難に考えると恭順派の協力者の名前とかが載っている書類とか、あるいは次に行われるような作戦の指令書とか、兵器の類を隠してある場所を示している書類とか、そういうのだろう。
 確かにその手の書類を見つけたら、先行して持ち帰ったとしてもおかしくはない。
 事実、突入していたアメリカ軍の部隊は長瀬がいなければ全滅していたのだから。

『けど、向こうとしてもこの本拠地は捨てるつもりやったと思うで?』
「何?」

 再びの小太郎の言葉に、思わず聞き返す。

『だって、中に殆ど人がいなかったんやし』
『あ……あ……あの人達、それじゃあ……あ……』
『ちょっ、おい、夏美姉ちゃん。いきなりどないしたんや? おい!』
『抜かった!』
『あ……』
『ちょっ、楓姉ちゃん。何だっていきなり夏美姉ちゃんを気絶させるんや!』
『落ち着け小太郎。夏美殿は人の死というものには慣れておらん。今までは先程起こった爆発で気が付いてなかったが、中にいた者共が死んだとなれば、その死を実感してしまってもおかしくはない。忘れるな。夏美殿は拙者達のように裏の住人ではない。あくまでも裏の事情を知っていても、一般人なのだ』

 そんなやり取りを聞いて、向こう側で何が起こったのかを理解する。
 確かに一般人の夏美にしてみれば、相手がテロリストであったとしても死というのは厭うべきものだろう。
 長瀬の言葉通りに爆発が起きた混乱でその存在を忘れていたのが、会話の流れで思い出してしまった、か。
 しまったな。確かにこれは俺の配慮不足だった。俺自身が人の死というものに慣れてしまっていたから、どうしてもその点に関しては注意が甘くなる。
 だが、普通の人間がそう簡単に死に慣れる筈がない。
 夏美は一応魔法界の件で普通よりはその手の耐性はあるだろうが、それでも自分のすぐ近くで人が死ねば、相当に堪える筈だ。

「夏美はそのままにしておいてやれ」

 千鶴に怒られるのは確定、だな。
 夏美には悪い事をした。
 溜息を吐き、気を取り直して口を開く。

「それで……何の話だったか。ああ、本拠地だってのに敵の人数が少なかったって話だな」
『あ、ああ。本拠地を守るって割には防御の兵士は少なかったで』
「……どう思う?」

 俺と小太郎の通
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