マブラヴ
1077話
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を置いているという以上、ミロンガのコンセプトと近い機体な訳で、更に言えばミロンガを作ったウォン重工業よりも数世紀も遅れた技術力で作られたのが戦術機だ。
当然紙装甲の極地と呼ばれるミロンガと比べても、尚脆い。
更に悲惨だったのは、戦術機の多くが地上近くにいた事。……つまり、空にいなかった事だ。
空にいれば、地面に叩きつけられるまでに数秒から上手くいけば10秒以上の余裕があったかもしれない。
だが、幾らある程度は空を飛べる……正確には跳べる機体であっても、その主戦場は地上だ。特に今回は戦闘が終わって殆どの機体が地上にいただけあって、爆風で地上や仲間の機体に叩きつけられるのを防ぐ事は出来なかった。
勿論叩きつけられただけで死んだり被害を受けていない者も多いだろうが……
そこまで考え、ふと気が付く。
「っ!? 長瀬達はどうした!?」
そう。長瀬と小太郎と夏美。この3人は敵本拠地へと侵入していた筈だ。
あの爆発の中心だった、敵本拠地の中へと。
『……』
戻ってきたのは沈黙。
誰もが理解しているのだ。あの爆発の中にいて、生身の人間がただで済む筈がないと。
それこそ、俺のように物理攻撃が無効化するような特殊な能力でもない限りは……
『そんな……』
オウカが悲しそうに呟く。
何だかんだとネギま世界にはよく行っていたオウカだ。当然長瀬達とも親しかったのだろう。
小太郎はホワイトスターに時々来てはシャドウミラーのメンバーと戦闘訓練をしていたし、夏美はシャドウミラーとも縁の深い人物だ。
それだけに悲しみを覚えても……
そう、思った時。
『こ、こっちは大丈夫やで!』
通信から聞こえてきたのは、紛れもなく小太郎の声。
その声を聞いた瞬間、反射的に叫ぶ。
「全員無事かっ!?」
『あ、ああ。何とかな。楓姉ちゃんのアーティファクトでこっちに向かってきた爆発の衝撃を飲み込んでくれたおかげで、被害はかすり傷程度や』
『にんにん、この2人を任されたからには全力で守でござるよ』
『ごわがっだよー』
小太郎のどこか安堵した声に、飄々とした長瀬の声。そして涙と鼻水で聞き取りにくい程の泣き声の夏美。
ともあれ、3人が無事で良かった。けど……
「衝撃をアーティファクトで飲み込む?」
小太郎の言葉に思わず呟く。俺が知っている限り、長瀬のアーティファクトはマントの中に自分の家を持っているといったものだ。
確かに色々な意味で便利な代物ではあるが……
『うむ。爆発そのものを空間の中へと入れたでござる。ああ、家があるのとは別の空間でござるよ』
こともなげに説明してくる長瀬の言葉に、思わず溜息を吐く。
そんな真似が出来るというのも驚きだが……
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