第32話 Sanction4
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、カズトをその豊満な胸に抱きしめながらラナを遠ざけているサテラ。
遡ること数十分前。
サテライザーとラナが、アーネットとクレオを撃退した後、学園最強の二人が止めに入ったらしい。そして、その最中で倒れたカズトを治療室まで連れてきた。
ということらしい。
「でも、カズト君が無事でよかったでありますよ〜。」
「これを無事と言えるかは疑問が残るけどね……」
とほほ、と半泣きになっているカズトを、サテラはより強く抱きしめた。
「本当に、そうよね……」
「え、サテラ?」
サテライザーがボソリと呟いたのを聞いて、カズトが首を傾げる。
「いつもいつも無茶ばっかりして、英雄にでもなったつもりなの?今回だって、貴方が来る必要なんてなかったのに。」
カズトを離して、サテラは病室から出て行った。
「久しぶりに、怒らせたのかな……」
その日はもう遅いということで、ラナは自室に戻り、カズトも疲れたので寝ようとしていた時のことだ。
「よぉ、相棒?」
「……お前か。」
病室のパイプ椅子に、同じみの小鬼が座っている。サイズは変わらないが、目線はカズトと同じ位置だ。
それは、カズトが縮んでいるのもあるが、やはりベッドに横になっているのにも理由があるのだろう。
「いやぁ、それにしても…ククッ。笑える格好だなぁ?」
「黙れ。サイズなら貴様とどっこいどっこいだろうが。」
憎まれ口を叩きながら、カズトは小鬼をしっかりと見据える。
「この姿は、あのピアノを弾いた反動ってことでこうなったって事でいいのか?」
あのピアノを弾いたとき、今までにない感覚を味わった。まるで、ナニカに体を支配される異様な感覚。
それを止めたときに、全身から力を抜き取られるような感覚に陥ったのだ。
「まぁなぁ、正確には、あの演奏を中断したことによるデメリット、だなぁ?」
「…いや、俺はちゃんと弾いたぞ。」
そもそも弾けるのだって奇跡だったのだ。それを完璧に弾けならいざ知らず、知らない部分まで弾けというのは無理難題と言えるだろう。
「まだだ。お前さんは、アレを弾き終えていない。」
「どういう……っ??」
問いただそうとすると、体に違和感を覚えると、視界がボヤけていく。瞼が上がらず思わず手をついてしまう。
「ゆっくり眠りなぁ。話は、また今度してやるよぉ。」
そして再び、意識が途絶えた。
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