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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
48 逃亡者・暁シドウ
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うとする。
暴力や言葉によるイジメやネットでの中傷が代表的なものであり、ほんの一部だ。
そしてイジメと言い換えているだけで、やっていることは犯罪だ。
学校や職場では、傷害や名誉毀損などというあからさまな犯罪であるのにも関わらず、これまた自分の落ち度を隠すためによくイジメという言葉をよく使う。
他者を力でねじ伏せることで、自分は他者より優位に立っている存在だと証明したがるのだ。
だが本当はそれが悪いことだということは理解している。
精神に余程の障害でも無い限り、人間という法を設けることで自らの行動を律することのできる唯一の動物である以上、理解できていなければならない。
しかしこれまた技術や文化の発展によってもたらされる様々な書籍や作品、メディアによって作り出される間違った認識によって自らのやっていることの正当性を見出す。
不良のドラマや犯罪者を美化して描く作品群、グレているのがかっこいいものであるという虚像に影響され、間違った認識から腐りきったアイデンティティを形成する子供も多い。
一番悪いのは、自ら生み出した技術を制御できない人間の方だ。
人は力を得れば、間違った方向に進むものも少なからずいる。
多くの人格を持つ人々がいる世の中では仕方のないことだ。

「...昔とは違うんだよな」

初めてデンサンシティに来た瞬間、今まで見てきたニホンの印象は全て崩れた。
街を歩けばひったくりや万引きといった軽犯罪から、重大な犯罪まで至るところで目にすることができた。
今思うと、あの中学生大量殺人事件がこの一連の事件の発端だった。
事件を知ったのは謎の電波体=スターダストの出現を知った後だったが、正直なところ、驚かなかった。
デンサンシティであれば、別にどんな犯罪が起ころうと不思議には思わなかったのだ。
シドウは目を瞑り、強い眠気に身を任せる。
数日間の戦いの疲れはやはり想像以上だった。

『おやすみなさい...シドウ』
「あぁ...」

今から立ち向かうべき敵は世界に多大な影響力を持つPMCであるValkyrie、そして舞台となるのはテクノロジーが生んだニホン最大の犯罪都市・デンサンシティ。
そのあまりにも最悪な夢のコラボレーションには、今のシドウの身体では到底立ち向かえない。
休養が必要だった。
シドウは眠りに落ちながら、こう呟いた。
この危機的状況下のデンサンシティをよく捉え、Valkyrieとの戦いに臨んでいる者なら誰もが納得する呼び名だ。

「...あれが戦場か」




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