精神の奥底
48 逃亡者・暁シドウ
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少々心もとないが、いざという時の脱出経路代わりに使えないことはない。
「学生向けっていうと色々と普通のマンションに比べて劣っているように思われがちだが、別にそうでもないさ」
『そうですか』
「もちろん広さだったり、高級感だったりは別だぞ?だがな、ほら!室内灯あり、風呂あり、コンロあり、トイレあり、冷暖房あり、クローゼットあり、水道あり、インターネット回線あり、下駄箱あり、洗濯機あり、コンセントありだ」
シドウは鍵を開けて、部屋に入った。
そこは家賃相応の約6畳から7畳のワンルームとトイレ、バスルーム、キッチン、ベランダから構成される部屋だった。
1人で済むには十分過ぎる空間だ。
シドウは鍵を閉めて、靴を脱いで電気を点ける。
「高級マンションに住んでも、これ以上の設備を使うか?って言われると、使わないんだよな」
『ここなら見つかる心配も無いでしょう。シドウ、早く食事を済ませて休んでください。あなたの疲労度を考えれば...』
「無論そのつもりだ」
フロア部にはシングルベッドとテーブル、本棚に机とチェストくらいしかなかった。
誰が見ても一人暮らしの学生の部屋にしか見えない。
シドウは部屋に誰も入った形跡が無いのを確認してから、キッチンの冷蔵庫から500mlのミネラルウォーターを取り出すと一度に半分近くを飲んで喉を潤した。
「ふぅ...」
そしてすぐさま電気ケトルを一度、洗ってから水を汲んで湯を沸かす。
カップ麺は冷蔵庫の隣の箱の中に入っていた。
底のテープを剥がして、冷蔵庫に一度貼り付けておく。
「確かカロリーゲッターも...ん〜...ここはポーク味...」
黄色いパッケージのバランス栄養食を幾つか味がある中から選ぶと、中からブロック状の食べ物を取り出して咥えた。
食事を行いながら、更に冷凍庫から冷凍野菜を皿の上に乗せて電子レンジに突っ込む。
そして今度はチェストの方に向かった。
「この中にあるはずだ...」
机の隣のチェストの引き出しを引き抜き、奥の方に隠してあったものを取り出す。
それは室内灯に照らされて鈍色に怪しく輝いた。
『ワルサーPPK/S、38口径のセミオートマチックですね』
あらゆる戦闘や軍事的なデータを記録しているアシッドは見ただけで、その特徴を当ててのけた。
シドウは更に取り外した引き出しの裏板に貼り付けていたマガジンを机の上に乗せる。
「今、銃に入ってるのは、9mmショート弾、合計7発。6発込められた予備のマガジンは合計3つ。つまり...」
『25発...使う局面に出くわさなければいいですが...』
「あぁ、もし戦闘になれば、これで勝負をつけなきゃならない」
『他に武器は?』
「待ってくれ...ここに」
チェストの下の引
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