暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
48 逃亡者・暁シドウ
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イク合わせて4台か」
『その分、一般人を巻き込む危険も低い。条件としては悪くありません』

シドウの視線の先にはホワイトカラーのTriumph・DAYTONA 675Rが停車されている。
ディーラーにいた頃に知り合った技術者に多少のカスタマイズを受け、最高速度は240km/hまで引き上げられており、最大出力とトルク、そしてブレーキやサスペンションなどもそれに合わせて向上している。
またタンクバックや野外で生活する局面に陥った場合に用いる携帯用のテントや非常食などが詰まった鍵式のテールバッグも装備済みだった。
シドウは前にこのマシンを乗った時のことを思い出しては、パニッシャーの性能を痛感していた。
加速、サスペンション、ブレーキ、レスポンス、全てにおいて今まで扱ったことのない次元のマシンで、常人が到底扱えるものではない。
むしろ根っからのマニュアル人間であるシドウにとっては、オートマチックに慣れる、MTモードによるセミオートマチック操作を覚える、すなわちノンクラッチというものの感覚を掴む方が難しかった。
一応、常人を遥かに上回る身体能力を持ったシドウには乗りこなすことはできたが、それでも恐ろしい性能のマシンだと胸を張って言えるくらい凄まじい性能だった。

「5階に部屋を借りてる。月6万ゼニー、管理費5000ゼニー」
『その値段設定だと、ここは主に学生向けのマンションですね?』
「あぁ、そうだ。そっちの方が安いし、まさか学生でもない上、裏社会ではかなりの権力を持つディーラーの構成員だったオレが借りてるとは思われにくいだろう?えっと...呼び出し、2、1、0、8」

シドウはエントランスのインターホンを操作して解錠した。
部屋の鍵と混同すると面倒なので解錠用の鍵は持ち歩かないようにしていた。
そしてポストに入っている駅前のスポーツクラブや居酒屋や焼肉屋、水道工事の宣伝、宅配ピザのチラシを真下に設置されたゴミ箱に捨てる。
この手のマンションを使っている地方出身の学生は仕送りの中で生計を立てている者も多く、このようなチラシの店を利用する余裕がある者は少ない。
そのために見ずに捨てる場合も多く、それを見越して管理会社はゴミ箱を設置しているのだ。
シドウがやってきたのはざっと3ヶ月ぶりだったために、ポストの中は所狭しと押し詰められたチラシがざっと50枚近く入れられており、シドウは思わず、一度ため息をついた。
そのままエレベーターに乗り込んで5階へ向かう。

『食料の備蓄は?』
「ざっと1ヶ月半程度だな。一応、変装道具もあるからいざとなれば、そこのコンビニとかで買い足すこともできるだろうが」

エレベーターのドアが開き、シドウは出て左手の最奥の部屋の方へ向かった。
ちょうど非常階段も近く、地下駐輪場にも行くことができる。
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