第2章 反逆の少女たち
第25話 魔想志津香
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た方が良いぞ』
『おぼえたほうが〜〜?』
すっと、表情が一段階変わった。
幼い彼でもわかる。本当に優しい人がする目だって。
『……話をするときは 目を見て、話そう。自分の思いを伝えよう。そうしたら、きっと、きっと伝わるから』
『うんっ! め、みておはなしするよっ!』
『わーん、ゆーを、とっちゃダメなのーー!』
『はは、はいはい』
●ー●をゆっくりと降ろすと、その手を むんず!! っと掴む幼い少女。笑顔になって、少年は少女の目を見た。
『ぶーー!』
『あはっ』
なんだか、からかわれているのか?と思った少女。ふてくされている様な表情をするが、目は変わらない。あの抱かかえてくれたひとと、なんら変わらない澄んだ瞳なんだ。
『ゆーは、わたしのなのーっ!』
『え〜 ぼくは、ものじゃないもーん!』
『わー、まってよ〜〜!!』
逃げる様に走っていく男の子、そして その背中を見失わない様に、とて、とて、と走っていく2人。
『早い段階でお婿さんが、出来ちゃったわね?』
『なな、なにっ! そ、それはいくらなんでも早すぎる!』
『あはは、冗談冗談、でも な〜んか子供にしてはとてもませてるじゃない? ……大きくなるのが今からでも楽しみ』
『ええ……、そうですね』
楽しそうに言っている夫婦。そして、もう1人の女性は、目を細めた。
面影は……かつて自分が愛したあの人に似ている。そして優しさもきっと似ている男の子。
『……あの人が命を賭けて守ってくれた大切な命。……幸せになって欲しい。いや、幸せにしないと。運命に抗ってでも』
消え入りそうな言葉を呟く。その言葉は誰も聞いていない彼女だけのものだった。
〜????〜
装置を発動させた。
その時、まるでこの世界に生まれてくるかのような錯覚に見舞われていた。闇から光へと生まれてくる感覚だ。あれが、時を超える時に生じるものなのだろうか……?
「……此処は」
ユーリが降り立った場所、そこは荒れた荒野だった。周囲に街らしい街も無く、建物も無い。
なぜ、こんな場所にいるのだろうか。
「あの装置は、時間移動だけじゃなく空間移動も出来ると言う事なのか」
ユーリはそう納得していた。この場所がカスタムであるとは思えない。時間移動だけならば、空間座標はそのままに過去に飛ぶと思われるからだ。そして、思考を凝らしていたその時だ。
「……誰、貴方」
突如、声が聞こえてきた。何処か懐かしい声だった。なぜだろう、ユーリは身体が中々動かなかったんだ
「………」
ゆっくり、ゆっくりと声がした方に視線を移すユーリ。
視界に飛び込んできたのは、緑
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