episode2 ーTAG FORCEー
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、戦術等々相談があればいつでもどうぞ」
そう締めくくると一礼し、マイクをクロノス教諭に渡す。
楓さんの挨拶を聞いた葵さんの評価は「真面目そうだけど、行動力が凄くありそう。多分、うちのどの教師共より頼りになるんじゃない?」との事。
いつもは明るく元気ハツラツとした姿を見ている華蓮にとって、真面目な態度の楓は凄く珍しく思う。
今回の集会は本当に楓さんの挨拶だけみたく、それが終わると速攻で解散となった。
「華蓮さん」
楓さんと談笑を交えつつ、帰っていると聞き覚えのある声に呼び止められた。
「あら……?」
「明日香、先輩……?」
今朝方知り合ったばかりの一年上の先輩がそこにいた。そして、背後では先輩の友達と思わしき女子生徒が怪訝な視線を華蓮に向けていた。
「葵と同じ部屋だったのね。まぁ、いいわ。華蓮さん、少しお時間をもらっていいかしら?」
極めて丁寧な口調だが何故か有無を言わせない圧力を感じ、さらに三歩後ろほどに立っている二人の女子生徒の威圧的な視線がさらに高めている。
「ェ……。あ、はい」
結果、困惑しつつも了解の返事をしてしまう事になってしまった。
「というわけで、葵。少し借りてくわよ」
「どーぞお好きに女王様」
「あっそう」
女王様と嫌味を込めて呼ばれた明日香は、顔を一瞬顰めるも華蓮と二人の女子を引き連れてその場を後にする。
「はあ……、転校早々目をつけられちゃうなんて大変ねぇー?」
一人取り残された形の葵は、四人の後ろ姿を見送りつつ、頬に片手を添え首を傾げていた。
◆◇◆
「ねぇ、明日香さん。ホントにこんな子がプロなんですか?」
「ジュンコのいう通りですわぁ。こんな弱々しい子が"漆黒の竜使い"のような凛々しいお方と同じわけないですぅ」
「……っ」
モモエの口から"漆黒の竜使い"と出た時、思わず肩が跳ねそうになるのを気合で押しとどめる。今ここで動揺した素振りを見せたらアウトだとわかっているもののやはり怖い。
(……どうしてこんな事に!)
校舎の壁を背にし、三人に囲まれてしまった華蓮は、涙を浮かべつつ内心で叫ぶが今の状況において華蓮を助けてくれる人は居ない。もちろん、包囲網に穴は無いし、それを強引に突破できるほどの剛力も華蓮にはない。
「もう一度聞くわね。華蓮さん、あなたはプロデュエリストのレンカ、そうよね?」
諭すように、しかし、威圧的に華蓮に尋ねてくる明日香に対し酷く恐怖を覚える。上級生三人に詰め寄られ、もう泣きたいぐらいだと思い始めた矢先、救世主が現れる。
「あら、二年生が後輩いびりかしら?」
「なっ??」
「……っ!葵さんっ!」
皆の視線の先には不敵な笑みを浮
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