暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜漆黒の竜使い〜
episode2 ーTAG FORCEー
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の本が置いてあるので、読書中だったらしい。

「あの、すいません。はしゃぎ過ぎちゃって……」

 少し申し訳なく思い、謝罪すると嫌な顔をするどころか微笑みながら、別に気にしてないわ、と許してくれる。その懐の深さと自分には無い大人な雰囲気に思わずくらりとする。

「ふふっ、あなたが転校生の子ね。私は二年の古谷 葵よ」
「はい!花村 華蓮です、これからよろしくお願いします」

 葵は、礼儀正しく挨拶をする華蓮を見て、(にこや)かに笑みを浮かべる。
 立ち話も疲れるので、葵は華蓮を奥へと案内するとやはり、目を輝かせながらシェアルームを見渡す。
 ブルー寮は、各一人にベッドとクローゼットのついた自室が与えられ、他にも二つを繋ぐリビングルームに、キッチン。更に、バスルームまでついているという破格の待遇なのだ。
 庶民である華蓮がこれに感動しないわけがない。

「気に入ってくれたかしら?」
「はい、とっても!」

 キラキラと笑顔を輝かせていると、ピンポンパンポーン♪というお決まりのメロディーと共に聞き覚えのある声がスピーカーから響く。

『えー、マイクテス、マイクテスナノーネ。ゴホン、今から集会を行うノーデ、生徒諸君は速やかに講堂に集まるノーネ』

「あら、予定にはなかったはずだけど……?」
「……なんなんでしょうか?」

 特徴的な声色と語尾から容易にクロノス校長代理である事がわかる。しかし、内容までは放送では伝えてくれないために、小首を傾げる二人。だが、考えてもらちがあかないので、足早に本校舎にある講堂へと向かう事にする。

 ◆◇◆

 華蓮達が講堂についた頃には生徒の大半が集まっていた。
 赤、黄、青、そして白と色とりどりの制服に身を包んだ生徒達が集団でいる様は確かに色映えするが、いかんせんその数が多いため、熱気と喧騒で頭がクラクラとしてくる。
 頭痛に耐えつつ、集会の開始を待っているとようやく壇上に三人の教師が上がる。
 一人は、クロノス校長代理で間違いなく、二人目の小肥りの教師はナポレオン教頭というらしい。そして、三人目を確認した時、思わずクラリと体が傾く。

「……なんでさ」

 明らかに見知った顔、というか私のマネージャーである橘 楓がスーツ姿でそこに立っていたのだ。まるで教育実習生である。

「えー、今回の集会は明日からここの教師として働く事になった先生のお披露目ナノーネ。こころして聞くように!ナノーネ」

 楓さんはクロノスからマイクを渡されるとお手本になりそうなほど綺麗なお辞儀をすると、緊張など微塵も感じさせない声音で語り始める。

「どうも、今日からデュエルアカデミアで教鞭を取らせてもらう事になった橘 楓です。科目はデュエル理論を主に担当しますので、デッキ構築
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