episode2 ーTAG FORCEー
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「わぁ!ここが寮なんですか??本当ッにお城みたいですね!」
「えぇ、気に入ってもらえてなによりだわ」
クロノス校長代理との決闘の後、クロノス直々に頼まれた明日香はオベリスク・ブルー女子が生活する寮へと案内していた。
湖畔の前に建てられた立派な建造物を見て瞳を輝かせる華蓮。そして、隣にいる明日香もその無邪気な顔を見て、頬を綻ばせる。
「外側がこんなに凄いなら、中はもっと凄いんでしょうね!」
華蓮は興奮冷めやらぬ状態で扉を潜り、お城の中へと入る。寮の装飾は豪華絢爛の一言に尽きる。
ぐるりと周りを見回し、ふと違和感を感じる。
「人が少ない……?」
「……え?」
楓さんから聞いた話ではデュエルアカデミアはほとんどが男子生徒だが、女子生徒もそれなりに居るらしい。だが、天井にシャンデリアが飾られたバルコニーには華蓮と明日香以外、人の気配が感じられない。まるで、人間が消えたようだ。
(多分、人が少ない時間帯なんでしょう……。)
考え過ぎだろうと内心で考えていると、上の階から白衣を着た女性が降りてくる。
「あら、転校生の子かしら……?」
「……?」
「女子寮の担当教諭をしてくれてる鮎川先生よ」
誰かわからず思わず首を傾げていると、隣に立つ明日香さんから耳打ちされる。
「今日からお世話になります、花村 華蓮です。よろしくお願いします、鮎川先生」
「えぇ、よろしく華蓮さん。もっとも私の本業は保険医だから此処にはほとんど来ないんだけどね」
鮎川は丁寧にお辞儀をする華蓮に対し、ニコリと笑みを向けながら返答をする。
彼女曰く、他に女性教諭がいないため、仕方なく女性寮担当になったとか。
「荷物はお部屋の方に運んであるわ。じゃ、明日香さん案内よろしくね」
「はい」
要件を伝えるために来たのか、それだけ言うとさっさと寮を後にしてしまう。
その後、明日香さんの後をついていき、自分の部屋へと案内される。やはり、外見も高級ホテルで見られるような装飾が施されており、たかだか高校生如きがこんなところに宿泊していいのか疑問に思ってしまう。
「荷物は中に運んであるそうよ。あと、シェアルームだから、大丈夫だと思うけど態度には気をつけなさいね」
「はい、色々ありがとうございます」
最後にお礼を言うと、高揚する気分を必死に抑えつつドアを潜る。
「……わぁ!」
やはり内装は豪華で、スウィートルームの一室などではないかと疑うほどである。
来て良かったと喜びを噛み締めていると部屋の奥から声が聞こえてくる。
「……あら?」
小首を傾げながら、顔を見せたのは大人の雰囲気を醸し出している黒髪の女性。
座っていたソファにはページが開かれたまま
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