暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第24話 真実を掴む為に
[17/17]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
んでいく事に表情が強張っていく。

「……クズが」

 ユーリは思わずそう言ってしまっていた。確かにこの本を活用すれば、過去に戻る事が出来るだろう。だが、……最後の一文に書かれている言葉が最も残酷な言葉だ。

 なぜ、≪この文≫が封印されていたのだろうか。

 恐らくはこれを書いた者の趣向だと思えた。使用者を弄ぶかのような最後の一文。

「志津香の所へ……行くか」

 ユーリは本の最後のページを破くと懐へと仕舞いこんだ。どうやら、この封印は一度解除すると普通のページに戻るようなのだ。そのまま、ユーリはその先の結界も解き、環状列石のある部屋へとたどり着いた。ここから、過去へと飛ぶ事が出来るのだろう。

「彼女が過去を変えたいと思うその理由は……オレには一つしか思い浮かばない」

 ユーリは、環状列石を眺めながらそう呟く。そして思いつく限りの最悪の予感が頭を過ぎっていた。

「まさか……、嘘だよな」

 誰に尋ねるわけでもない。
 彼の目的の一つでもあるし、これからも続けていくと考えている事。それは、大恩のある人への恩返しだ。出来る事は何も無いかもしれない。だけど、恩を受け取ったのなら返さなければならない。
それはユーリの信念でもあるのだ。

 ……その大恩人にもう会えないのか? 母親も救ってくれた人達に……?

「……何があったと言うんだ」

 ユーリは環状列石を起動させる。
 真実を見極める為に、そして……《彼女》に会うために。
 

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ