第2章 反逆の少女たち
第24話 真実を掴む為に
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んでいく事に表情が強張っていく。
「……クズが」
ユーリは思わずそう言ってしまっていた。確かにこの本を活用すれば、過去に戻る事が出来るだろう。だが、……最後の一文に書かれている言葉が最も残酷な言葉だ。
なぜ、≪この文≫が封印されていたのだろうか。
恐らくはこれを書いた者の趣向だと思えた。使用者を弄ぶかのような最後の一文。
「志津香の所へ……行くか」
ユーリは本の最後のページを破くと懐へと仕舞いこんだ。どうやら、この封印は一度解除すると普通のページに戻るようなのだ。そのまま、ユーリはその先の結界も解き、環状列石のある部屋へとたどり着いた。ここから、過去へと飛ぶ事が出来るのだろう。
「彼女が過去を変えたいと思うその理由は……オレには一つしか思い浮かばない」
ユーリは、環状列石を眺めながらそう呟く。そして思いつく限りの最悪の予感が頭を過ぎっていた。
「まさか……、嘘だよな」
誰に尋ねるわけでもない。
彼の目的の一つでもあるし、これからも続けていくと考えている事。それは、大恩のある人への恩返しだ。出来る事は何も無いかもしれない。だけど、恩を受け取ったのなら返さなければならない。
それはユーリの信念でもあるのだ。
……その大恩人にもう会えないのか? 母親も救ってくれた人達に……?
「……何があったと言うんだ」
ユーリは環状列石を起動させる。
真実を見極める為に、そして……《彼女》に会うために。
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