第1章:平穏にさよなら
第1話「プロローグ」
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んなさい。それで、お詫びと言ってはなんですが、あなたを転生させる事にしました」
「てん…せい…?」
いきなりそんな事を言われて少し困惑する。
「はい。記憶はそのままに、生前とは違う世界に転生するんです。アニメやマンガなどの世界にも行けますし、三つまでなら要望に応えられます」
「は……?」
そこまで言われて、少しばかり心当たりがある事があった。
…“神様転生”。それは、大抵が神様にミスによって主人公が死に、お詫びとして空想上の世界に特典と呼ばれる…まぁ、一種の願い事だな。それを持って転生するというモノだ。
今まさに自分の状況がソレなのだろう。でも、僕は先程の怒りが治まってないから素直に受けいられなかった。
「…まさか、もう一度人生を謳歌させてあげるから許してくれとか、そんな訳じゃないだろうね?」
「…っ、その事は、本当にすいません…」
…別に、そういうつもりではなさそう…か?
「それと、聞きたい事がひとつある」
「な、なんでしょうか?」
「…どうして、こんなお詫びをしなければいけないような事態になるほどの書類が、そんなうっかりした程度で破けるんだ?」
お詫びをしなければいけないというならば、それほど重要な書類なはず。なら、うっかりした程度で複数人分が破けるはずがない。…ぞんざいな扱いでなければ、だが。
「…まさか、普通に放置してるような感じとかじゃないよな?」
「っ…その、通りです…」
…本当にぞんざいな扱いだった…だと?
「…っ!お詫びする事態になるぐらいなら、もっと大事に保管しろよ!なんでそうしてないんだ!?」
「それは…」
…っと、いけない。冷静にならないと。怒ってばかりじゃダメだ。そう思って一旦心を落ち着けようとする。
「っ、ぐ…!?」
しかし、いきなり僕の体が動かせなくなる。
「な、なにが…」
「全く、どうして人間はこう、自分勝手なのかねぇ?」
女性の声が聞こえる。
「あ、お姉ちゃん」
「まったく…手間かけさせるんじゃないよ」
現れたのはオレンジ色よりの金髪の女性だった。
「うちの所に来るのはどいつもこいつもすぐにキレて…」
「…怒らないでいてくれたのは“彼”だけです…」
僕の前に来ていた人たちの話だろうか?そんな話をしている。
「そうだねぇ。あいつはいい奴だったね」
「はい」
…なんだろうか。その“彼”とやらの話をしてる二人の雰囲気に違和感が…
「…その“彼”とやらは、一体どんな奴だったんだ?」
僕と同じように事情は聞かされたはずだ。なのに、許したって言うなら余程のお人好しか、状況が分かってないバカだな。…と
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