第20話 暗躍する影、新たな転生
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よ〜」
「おはようございます。今日は随分と遅いですね」
「いや、朝方ライが俺の部屋にやって来て、『今日雨降ってるけど遊園地行くよね!?』って俺を起こしてきたから………」
「二度寝したんですね………」
呆れながら言う星。
「全く………楽しみにするのは構わないけどさ」
「かわいいじゃないですか」
「そのかわいいライはどうしたんだ?」
リビングを見るとライの姿が見えない。
「………朝からセインと部屋でずっとてるてる坊主作ってます」
「………大丈夫かあいつら」
「雰囲気が恐くてとても止められませんでした………」
どんだけ行きたいんだよアイツらは………
「分かった。俺が部屋に行ってみるよ」
「お気を付けて………」
普通、よろしくお願いしますじゃね?
少々不安を覚えながら俺はライの部屋に向かった………
「………これは」
思わず絶句してしまった………
床を埋め尽くすてるてる坊主達。
未だに二人は手を止めていない。恐らく俺が入ってきていることにも気づいていないのだろう………
「おいライ、セイン」
「「………」」
「無視するなって!!」
「「………」」
「おい!!!」
「「………」」
こちらに全く気づいていない。
というよりもはやてるてる坊主を作ることにしか興味がないみたいだ。
そんな様子をみて居ても立ってもいられなくなった俺は思わずライを抱きしめてしまった。
「えっ!?レ、レイ!!何してるの!?こんなに明るいときにダメだよ………」
「俺が悪かった!!ちゃんと明日は遊園地にも行くようにする!!だから帰ってきてくれライ!!」
「な、何を言ってるのレイ。わ、私は正気だよ。ど、どうしたのレイ?」
少し緊張した声でライは言う。
「お前気づいてないのか?今まで何をしてたのかも分かってないみたいだな………」
俺はライから離れる。
ちょっと残念そうな顔をしているような気がするが気のせいだろう。
「周りを落ち着いて見てみろ」
ライは言われた通りに周りを見る。
「えっ!?何これ!!」
自分の部屋の状態にやっと気づくライ。
「セイン!!何やってるの!?」
セインは未だにてるてる坊主を量産している。
「セイン!セイン!!」
「………」
ライが声をかけても反応がない。
「レイどうしよう!!セインが!!」
しょうがない………ライでうまくいったし、セインもうまくいくだろ。
俺はセインに近づき、ライと同様に抱きしめた。
「レ、レイ!?」
どうやらセインも元に戻ったらしい。
いやぁ良かった、良かった。
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