79話
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体を意味づけする。あれは己にとってあってはならぬ敵。
その白い機体が巨大なビームライフルを構える。ロックオンから秒ほどの時間も待たず迸った大出力のメガ粒子は、コロニー中での減衰など意にも介さずに《ガンダムMk-V》に殺到した。
咄嗟にシールドを構えられたのは実力でもなんでもなく、ただの反射行動でしかなかった。あれを敵、と身体が感じていたからこそ、その一瞬で膨れ上がった描写し難い不定の感覚―――明確な棘となって殺到する敵意を敵意と理解し、左腕に装備した巨大なシールドをクレイ・ハイデガーの身体が掲げたのだ。
大出力のメガ粒子はシールドの耐ビーム被膜加工を一撃の元に消耗させる。顔を苦くするのもつかの間、スラスターを全開に迸らせたその白いガンダムがサーベルを抜刀し、彼我距離を一瞬で消し飛ばす加速でもって肉迫する。被弾時の機体の挙動不安の制御に手を取られていたクレイは対処が遅れて、そうしてその白いガンダムがサーベルを薙ぎ払い―――。
(貴様、『アカデメイア』とか言う奴か!)
間隙に滑り込むように割り込んだ灰色の《ゼータプラス》が光の刃を重ね合わせた。
(インテグラルの制御を奪取したのも貴様だな! システムにどうやって介入したかは知らんが、貴様たちは連邦の―――!)
(悪いが、貴官の質疑に応答する義務は私には無い)
(―――その声、中佐か!?)
白のガンダムが巨大なシールドを持ち上げる。表面部に装備された黒いブロック片のようなものが前面に展開するに合わせ、灰色の《ゼータプラス》が左腕にビームサーベルを引き抜く。両者が咄嗟に引き抜いた装備が直撃するより早く、その白亜のガンダムは膝蹴りを《ゼータプラス》の胴体に炸裂させた。数トンを超える質量同士がぶつかる衝撃はそれなりの威力の爆弾にすら匹敵する。たまらず怯んだ《ゼータプラス》に、さらに足蹴りを叩き込んだ白いガンダムは、重力に伴い、スラスターの推力も合わせて一気にコロニーの地表に激突した。
粉塵の中、幽鬼の如く佇立する白いガンダム。その背後に、黒い《ゼータプラス》がまるでただの物のように存在していた。
白い『ガンダム』が身長ほどもあるビームライフルを指向する。誰を狙うでもなく向けられた銃口の先は―――。
(市街を―――!?)
攸人の驚愕。
押し込まれるトリガー。
クレイ・ハイデガーはそのプロセスの直前にフットペダルを踏み込んだ。
閃くスラスターの炎。立ち上がる光の柱と市街部との間に《ガンダムMk-V》を割り込ませた。
シールドに吸い込まれた光軸が対ビームコーティングを完全に消耗させる。減衰しきれなかったビームはそのままシールドを貫き、スラスターユニットを兼ねるシールドは内部の推進剤に誘爆して膨れがあった焔の中に融けていった。
防眩フィルターでも防ぎきれな
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