71話
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《百式改》に肉迫し、左腕のビームサーベルを振り下ろす。《百式改》も掬い上げるように返す刃を振り上げ、接触したメガ粒子の刃同士が日輪の如く干渉光を爆ぜさせる。防眩フィルターでも殺しきれない閃光に網膜を焼きながら、エイリィは《キュベレイ》が鳴らした接近警報と同時に敵の存在を知覚した。
エイリィから見て下方から接近する《百式改》がサーベルを抜刀する。光の刃を振り上げた《百式改》が《キュベレイ》を捉える寸前、身動ぎした《百式改》がスラストリバースをかける直後迸った光軸は、つい1秒前に《百式改》の居た場所を呑込んだ。
舌打ちと共にスロットルを開放し、スラスターを爆発させた《キュベレイ》が《百式改》を肩口から突き飛ばす。怯んだ《百式改》の胴体目掛け、ビームマシンガンのバヨネットを薙ぎ払う。Iフィールドによって収束した光の粒子はガンダリウムγと言えどもつかの間ほどの猶予も許さずに溶解させ、中のパイロットもろとも蒸発させる。
サーベル越しに感じる奇妙なぞわっとした感覚に顔を顰める暇は無かった。サーベルで引き抜きながら《百式改》の胴体に蹴りを入ると同時にエイリィの身体が、殺害の意思が自分を志向していることを察知し、スラスターを焚いた。
鼓膜を刺す攻撃警報音。ディスプレイに表示されたデータを一瞥しながら全天周囲モニターを振り仰ぎ、《百式改》がビームライフルを掲げる様を鼓膜に刻む。
ビーム砲から閃光が迸る瞬間、《ジムV》が別な方向に火器を向ける―――だが、その反応は遅すぎた。
突き上げるようにして屹立したメガ粒子の矢が《ジムV》の右の踵を砕き、右肘を貫き、左肩の装甲を溶解し、生傷のような被弾痕を作る。猪突したMSは接触しなにシールド裏から大出力の刃を形成し、灰色の《ジムV》を縦に両断した。
(ヴォルフ02、前に出すぎだ。下がれ)
「02了解。すみません」
爆光を背にした《リゲルグ》が《キュベレイ》の隣に並び、ぎょろりと単眼が睨んだ。
「手強いですね……」
温い溜息を吐く。
目標の輸送船への強襲、戦闘開始からまだ30分ほどしか経っていない。それでもエイリィの身体は確かに疲労を感じていた。
敵の輸送船であるコロンブス級3隻はともかく、サラミス級2隻が搭載する《百式改》は強敵だった。
大隊規模―――2倍近い相手にしてよく粘る。作戦の都合、すぐに撃破するわけにもいかないとはいえ―――。
(流石に重要拠点に物資を輸送する部隊の護衛、というわけか)
「全く。あちらさんも無理難題をおっしゃりますね」
(出資者というのはそういうものらしいからな。ふん、奴らめ、どうせなら守備隊全部をかっぱらうぐらいの気概を見せろというものだ)
プリセットされた音が鳴り、ディスプレイ上のレーダーに敵の増援を意味するブリップが灯る。
「どうしまし
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