51話
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のライブラリーを参照し、接近する機影を即座に割り出す。
AMX-102《ズサ》が3。
MS-14J―――。
(《ゲルググ》―――!?)
データリンクで繋がった情報に驚愕を滲ませた声を出す琳霞。その声の意味を理解する暇も無く、ガス雲を切り裂いたMS-14J《リゲルグ》の眼光がクレイを射竦める。
自分を見た。気のせいでもなんでもなく、あのブレードアンテナを屹立させる灰色の《リゲルグ》の猛禽の如き瞳は、確かにクレイを映した。
(隊長!)
(わかってる! 07、08は狙撃だ! 05、フォックス1!)
(06、フォックス1!)
バックパックに残存した最後のミサイルに加えて胸部の装甲も吹き飛ばし、計30発以上のAMA-13Sシュライクがたった数機のMSを殺傷するためだけに翼を広げ、その鋭利な嘴を《リゲルグ》に向ける。
《ズサ》が迎撃のミサイルを撃ち放ち、2機の《リゲルグ》は減速することなく吶喊。アサルトライフルで撃ち落とし、突破困難と見るや片方の《リゲルグ》は背負ったブースターユニットを切り離した。MSから切り離され、重しを喪い、水を得た魚のように速度を増したブースターユニットの接近に伴ってミサイルの近接信管が作動、連動して爆破していく。推進剤を鱈腹積んだユニットが一際大きな爆発を起こす。
赫焉の中を突っ切るようにして、肩そして背中に背負ったブースターユニットが生み出す大出力を踏み台にした大鷲の如きマシーンが迫る―――。
呼吸が荒い。自分のことなのにわざわざ生体データを確認し、定まらない視線のままオールビューモニターに映った敵機目掛けてN-B.R.Dの照準を合わせる。
全ての過程をぶつぶつ口に出して反復し、無心のままにトリガーに重なるスイッチに指を重ねる―――。
MSのセンサーと連動し、ライブラリーに該当する敵機の装甲材を即座に判断。相対距離からあの《リゲルグ》を確実に貫く最適の解を切り出したN-B.R.Dの砲口が唸りを上げた。
《FAZZ》の連装砲《ハイザック》の十字砲火を横ロールで躱したその瞬間目掛けて、《ガンダムMk-V》が肩から懸架した巨大な砲のトリガーを人差し指で引き絞る。
バレルを駆け抜け、銃口の偏向機を経て超圧縮・加速したメガ粒子砲の光軸が奔る。通常のそれより圧倒的な速度のビームは、されど回避機動をとった《リゲルグ》の足を掠めただけだった。
「クソ、照準がぶれて!」
試作兵器だからなどという言い訳をしている自分になおのこと腹が立つ。
冷却その他諸々を綜合した次弾装填の時間が右脇の追加ディスプレイに表示される。見慣れたそのタイムラグに咽喉が鳴り、心臓が喚くように鳴り響く。数字が1つ繰り下がる―――1秒の時を刻むその外的時間の経過が酷くのろく感じる。
大脳古皮質が悲鳴をあげ、内側から鼓膜を突
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