49話
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の顔が鈴のように連なる。
「無理はするなと言える敵ではない。だが諸君らの尽力があれば達成し得るのも確かだ―――勇敢さと無謀さを取り違えるな。いいな?」
力強い了解の応答に僅かに頷く。
「全機、兵器使用自由! 突撃に―――移れ!」
操縦桿を強く軽く握り、スロットルを全開に叩き込み、スラスターを爆発させた《リゲルグ》が漆黒を切り裂く。
センサーが《ジムV》の小隊を捉えたのと、眼下にその姿を見つけたのはほぼ同時だった。察知した《ジムV》がビームライフルを構えるより早く右腕に保持したアサルトライフルを指向、コンタクト後秒をも待たずにトリガーを引く。ぶつ切りに迸った閃光は黒い《ジムV》の頭部を撃ちぬき、右腕のビームライフルを破壊し、コクピットの装甲を溶解させる。隊長機の《ジムV》を屠殺するのも気にも留めず、速度をそのままにシールド裏から光の剣を発振し、接触様に後尾に居た《ジムV》を肩口から脇腹にかけて一刀のもとに両断する。赤熱化した金属の血飛沫をまき散らした《ジムV》の隣のもう一機の《ジムV》が戸惑うその一瞬に肉迫した《ズサ》が光軸の火箭を張る。《ジムV》がなんとか躱しながらも怯んだ隙に、懐目掛けて突撃したエイリィの《リゲルグ》が両刃のビームトライデントを発振、コクピットに深々と突き立てる。コクピット目掛けて殺到した数千度の光はそのままパイロットを目視不可能な砂粒へと還元し、遺骸と化した《ジムV》が沈黙する―――。
惨殺にかかった時間は15秒と無かった。
《ジムV》からトライデントを引き抜いた《リゲルグ》が悠然と丐眄する。
―――展開した部隊の中で、確かに目標が居るのはこの周辺の宙域だ。
サーベルの発振を抑え、マクスウェルは遥か向こうに鋭い視線を投げた。
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