47話
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合わせたように耳朶を打つ。数分かの後、カタパルトに降り立った漆黒の《ゼータプラス》がその主脚で格納庫へと向かう。
アーガマ級のカタパルトは2つ。もう一方のカタパルトに《リゼル》2機と、黒い《ゼータプラス》と灰色の《ゼータプラス》が着艦したらしい―――。
いよいよ次だ。理解し、一度身体を震わせる。
黒い《ゼータプラス》が視界を横切る。居心地の悪さを感じる―――。
ごちゃごちゃと浸透し合った内的持続に混乱しながら、クレイはフェニクスが乗っているであろう灰色の《ゼータプラス》を眺める―――。
今更に、ディスプレイに通信ウィンドウが開いたことにクレイはぎょっとした。部(ロ)隊内(―カル)での通信は常に開きっぱなしにしていた筈―――。
秘匿回線のナンバーは02。機内カメラの映像も無く、サウンドオンリーの文字だけがクレイをしげしげと眺めていた。
しばし無音。どこかその弛緩したような緊張感を感じていると、ぼそりと聞こえるか聞こえないかぐらいの声が微かに鼓膜を震わせる。
―――大丈夫だから。安心して―――
思わず顔を上げる。壁際に身を寄せた黒い《ゼータプラス》の周りには何人もの整備兵が群がっており、黒々とした神像は沈黙の衣を身にまとっているばかりだ。
―――僅かに、《ゼータプラス》の頭部ユニットが動いたように、感じた。《ゼータプラス》の赫いカメラユニットとエレアのガーネットの瞳が重なり、クレイは慌てて目を逸らした。
まだエレアと面と向かって話をしていない。それ故の引け目と、何故か彼女はクレイの内面を全て理解した上で許してくれたのではないかという妄想と、それに伴う不気味な安堵感を感じていた。
(第二小隊出撃準備せよ。繰り返す、第二小隊出撃準備せよ)
アヤネの声がざくりと鼓膜を破る。ぎゅっとスティックを握りこみ、脇に備え付けられたN-B.R.Dの計器が正常であることも確認する。
何も問題はない。クレイを引き留める要因は、どこにも無かった。
第一カタパルトにクセノフォンとオーウェンの《FAZZ》が向かい、第二カタパルトへカーキとダークグリーンの《ガンダムMk-V》が向かう。クレイはオートパイロットで己の《ガンダムMk-V》を前進させ、ジゼルの後に続いた。
(じゃ、お先に―――07、《ガンダムMk-V》行きます!)
リニアカタパルトに乗せられ、砲弾さながらに真空に飛び出していく。その姿を追いながら、クレイは《ガンダムMk-V》が戻ってきたリニアカタパルトの上に足を乗せ、ぐいと屈折するのを把握した。
スロットルを開き、フットペダルを踏み込む。
(08、《ガンダムMk-V》、ブラスト・オフ!)
リニアカタパルトが起動する。前方から圧し掛かってくる負荷Gに抗うように身体を乗り出し、《ガンダムMk-V》と連動したクレ
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