41話
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たペットボトルの水をぐいと一飲みした。
「さて諸君らMSパイロットに重要なのはこんな情報ではないな―――敵性武装勢力の大半はジオン残党が占めるが、旧連邦系の装備も確認されている。そのほとんどは実弾装備で我々の現在の装備に対しては敵ではないと言えるが、近年ネオ・ジオンが茨の園の基地能力から接近しているとの噂もある。諸君らにはMP兵装を実装しているとの認識で行動してもらいたい。また詳細は各部隊大隊長から説明があるとは思うが、茨の園の直接的な破壊は極力避けるようにしてもらう。かつてのデラーズ・フリートの軍事力を支えた茨の園の軍事拠点としての能力は、フロンティアサイド復興に大きく寄与するからだ」
そこまで言って、ポールは咳払いした。
「なお、茨の園の直接の制圧はECOSが行うことになる。諸君らMS部隊は、ECOSの陸戦部隊潜入の障碍となる敵MS部隊、あるいは迎撃用に各所に設営された固定砲台の破壊を担当することになる。いいな?」
さっとブリーフィングルームが静まったように感じた―――それは、きっと気のせいではないのだろう。
地球連邦宇宙軍特殊作戦群は、新設の特殊部隊として地球連邦軍でも知られた存在だった。
曰く、『人狩り部隊』。対テロ用に新設されたばかりの即応部隊の任務は情報収集・拉致・暗殺と多岐にわたる。しかし、テロ集団暗殺任務において結果として33人もの子どもを死傷させた一件以降、地球連邦軍の一般部隊からは忌み嫌われる部隊となってしまっていた。そのECOSが参加する。もちろん事前に通達のあったことであるが、改めて複雑な感情を惹起させてしまう。
だが、とブリーフィングルームに姿を見せない特殊部隊の姿を思う。特殊部隊のその実力には疑いを挟む余地がないのは事実だ。百戦錬磨の部隊が味方に付くのは、それはそれで有益なのだ。
感情は別問題ということか。未だ連邦軍に入りたてのクレイはあまり思うところがないが、どこかピリピリしたブリーフィングルームの雰囲気が雄弁に物語っていた。
「任務の概要は以上だ。さて、我々は当政府命令第29871号をオペレーション:シャルル・ド・ゴールと命名した。壊滅したルウムの奪還とフロンティアの復興のため、諸君らには尽力してもらいた」
ポールが敬礼する。ブリーフィングルームの全員が立ち上がり、敬礼を返した。
壇の上のペットボトルを持ったポール・カニンガン中佐が敬礼を解き、出口へと去っていく。その姿を眺めていたところで、後ろの席に座った攸人がクレイの肩を突いた。
「なんでド・ゴールなんだ?」
「機動打撃群の司令がフランス系のルウム育ちだからじゃないの。予想だけどね」
納得したように頷いた攸人は、椅子に腰を下ろしてポールの方をなんともなしに眺めていた。
その旗艦がかつての英国の戦艦の名を受け継いでいるというのも洒
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