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機動戦士ガンダムMSV-エクリチュールの囁き-
31話
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る専属の医師が抜本的な体調管理に携わっているのだが、実務的にそれを執り行っているのはフェニクスなのだ。
 2人とも居ない―――恐らく、フィジカルの関係でちょっと不都合があって安静にしているエレアの付き添いでもしているのだろうと見当づけた。それか、階級が上の人間としてせっせと仕事に励んでいるかのどちらか―――モニターの向こうではクセノフォンが女の子の群れの中で何故かビーチバレーに励んでいるからそれは無いか。羨ましいとは思っていない。
 エレアの水着かぁ、と背中をシートにつけ、漫然と思案する。アルプス山脈から溶け出した雪解けの流水―――エレアの印象を、クレイ風に小賢しく表現するとそんな感じである。かんかんと照りつける太陽の光の下にいるエレアというイメージは、なんだか奇妙だった。
(かー! あいつは今この光景を生で見てるのかよ! 許せねぇ。許せねぇが許すぞ! グッジョブ!)
「―――とかなんとか言って、こっちはこっちで楽しみがあるんじゃないですか?」
 デジタル映像の中のヴィルケイが白い歯を見せる。
 棒立ちする2機の《リゼル》と《ガンダムMk-V》。その3機からやや距離を置いて、平行に位置ぶ3機のMSの姿があった。
 わざわざデータベースにアクセスするまでもなく、その3機のMSは理解できた。RGZ-93EMP《ズィートライ》改め《リゼル》は、《ガンダムMk-V》の隣で憤然と佇む《リゼル》の同型機だったからだ。正確には、ブロック40―――ゲシュペンストで使用しているものを更新した機体だ。ブロックの更新、という割に、メインカメラの概観が大きく異なっているのが目を引く。所謂ゴーグルタイプのカメラアイを備えており、全規模量産モデルとなるのだろう。ブロック35に比べてどれほど性能が上がっているのかは、興味深いところだ。
 もちろんヴィルケイが大いに関心を寄せるのはそんな無機質で澄まし顔をしている《リゼル》などではない。注意の志向は、その巨人の足元にあった。
 ビーチの健気な映像を映すウィンドウの隣にまた別ウィンウが立ち上がり、デジタルムービーを流し始めた。
 携帯用のドリンクに口を付けていたクレイは思わず吹き出した。。
 熱射が照り付けるアスファルトの上でも、やはり水着を着こんだ成人女性たちが3人並び、その周囲をカメラマンが忙しなく動き回っていた。
 スリングショットにマイクロビキニ。とにかく布面積が少ない水着を身にまとった3人が、エロティシズムに満ち満ちた色気を振りまいていたのだ――――――1人はなんだか嫌そうだが。
(いやーこれが見られるのが救いだね)
 ご満悦そうにほっこりするヴィルケイ。わざわざここれに合わせて、今回の耐環境試験のスケジュール変更を強行し、そして変更させてしまったのだから恐ろしい。極めて官僚的な連邦政府の体質からして、組
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