26話
[7/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
は左右から襲い掛かる灼熱の交叉を悠然といなし、あるいは左腕に保持した長柄のハルバードをもAMBACの『舵』にしてみせるあの《ガンダム》には驚嘆を覚える。
だが、砲撃戦など粗野な前戯ほどの意味も無い行為だった。ほんの僅かな砲撃の交錯。快楽憤懣恥辱悦楽その他もろもろが溶けあった感情に浸されながら、竜もかくやといった怒号を迸らせる。閃光の尾を引いた黒白の2機が、再度日輪の如き干渉光を咲かせた。
強い、と思った。
※
強い、と思った。
猛然と襲い掛かってくる単眼の《ハイザック》の斬撃をハルバードで防ぎ、ぎりぎりで回避しながら、クレイは今日何度目かの驚きに立ち会っていた。
《ガンダムMk-V》はカタログスペックだけを見るなら、卓絶した機体であることに異論の余地はない。大出力と大型機の特性ともいえるパワー、そのバランス。そして無駄な武装を持たないが故の操縦性の高さ。機動性。全ての水準を高次元で満たしているといっていい。だが、カタログスペックに表れない部分でのネガティヴな側面もある。大出力大型機故に機体の挙動不安が生じやすく、微細な操作性にはすぐれない。操縦性とトレードオフにして削がれた即応性の分だけ、局所的な操縦性の悪化は顕著だ。そして事実、クレイが眼前の《ハイザック》に対して攻めきれないのもそれが原因だった。《ハイザック》は確かに廉価性を追求された機体だが、それ故そつのない操縦性と準第二世代機としての相応の出力故に、機動格闘戦闘においても十二分の性能を発揮し得る。白い《ハイザック》もそれを心得ているが故に、徹底的に近接戦闘をしかけてくるのだ。かといって《ガンダムMk-V》のパワーに飲まれないようにインファイトをしかけるでもなく―――間違いなく、この《ハイザック》のパイロットは練達の技量を持っている。いや、むしろ驚異的とすら呼べた。
あるいは、インコムが使えればと思うが、栓のない話だった。インコムの1基が動作不良により機能不全に陥っている。1基だけを漫然と使用しているだけでは―――。
逆袈裟に奔った閃光にハルバードの刃を重ね合わせ、立て続けに降り注ぐ光軸を眼前で鍔ぜり合う《ハイザック》の胴体を蹴飛ばす反動でなんとか躱した瞬間だった。
―――何かが耳朶に触れた。それが無線の開いた一瞬のノイズ音だ、と気づくや、クレイは咄嗟に視線を泳がす。戦域マップと各機体データを把握し、そしてその意図を理解した栗色の髪の男は、鋭利な苦い笑みを浮かべた。
攸人はすっかり上官のつもりらしい―――。
不意に視界が白に染まる。不味い、と反射的に回避機動を取らせたが、一歩遅かった。上段から振り下ろされたビームサーベルが《ガンダムMk-V》の右腕を一刀のもとに溶断した。
溶解したガンダリウム複合装甲と潤滑剤が血飛沫
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ