9話
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に「異常」な性的倒錯と思われているスティグマを押し付けられるのは構わないが、それで人間性までも「異常」と思われるのは癪な話なのだ。
うぅだのなんだのと応えにあぐねいている―――それ自体が最早肯定なのだが―――と、じゃあよ、とクレイを見とめた。
「プライマリースクールの嬢ちゃん見て欲情するわけ?」
馬鹿にしているというより興味津々な顔だった。
「いや、流石にその年代には…欲情するまではハイスクールくらいまで行かないと中々」
顎に手を当て、唸る。
「そうなると、あれはお前的にどうよ」
ヴィルケイが顎をしゃくる。対象は、コクピットから顔だけ出してる紗夜―――どんな答えなのか、と紗夜は楽しみなような恐れているような複雑な顔をしている。
どう応えるべきなのだろう。というかこれ、セクハラじゃないのか。
降って湧いた難題に内心頭を抱えた。色々な側面を考慮して無難に応えるべきか、あるいは―――。
咳払いを一つ。
改まって腕組みすると、努めて冷静な顔をしてみせる。
「あくまで外見に終始した話、ですけど。紗夜さんはパッと見ジュニアハイからハイスクールくらいで小柄な子って感じだと思うんですよ。個人的にそれぐらいが最高だなって思ったりして……」
クレイは、何故か生真面目に応えるという選択をした。と、いうのも敢えてクソ真面目に本音を言ってみて、フレンドリーな感じになったりしてという奇妙な期待を抱いてしまうという愚考の故であった。
言い終えて、慌ててなまっちろいストローを口に含んだ。妙な心臓の鼓動―――緊張を感じ、ワザとらしく強く吸い込み、音を立てた。
幾ばくかの沈黙―――クレイは心臓をこねくり回されるような、異様な緊張感を気分の沈降を―――。
「じゃあ今日の朝のオカズは私だったりして?」
明らかに、ワザとらしい艶っぽい声色、ワザとらしい誘うような顔―――クレイは再び、盛大に緑茶を噴出した。
「お、なんの話だよ?」
「ジゼルが言ってたんだよねー、今日の朝せんせーの部屋に行ったらアレのにおいがしたって。結構真面目そうなのにやっぱ男の子なんだねーって話、してたんだよ」
コロコロと破顔する。
「へぇ。んで、先生よ、そこんとこどうなのよ」
ぐいとヴィルケイの顔が近寄る。からかいの対象を見つけた、あのどこか寒気のする笑み―――それでいて、憎めない笑み。
クレイは内心に微かな穏やかさを覚えながらも、狼狽は極致に達していた。
顔をひきつらせつつ、「きょ、今日は違いますよ」となんとか声を出す。
「今日「は」ってことは……?」
「今後とも、です!」
顔まで赤くなりながら、声を張り上げた。
「うーん、そこまで否定されるとちょっと自信なくすけど」
俯く彼女。本気でへこんでいるのか、ワザとなのか。どちらにせよクレイは
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