ACT.5 「DAY3. 予想外の告白」
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軽い金属音が響く。
亜音速の5.56mm弾はノッポの様々な部位に命中し、さらにはMP7から4.6mm弾全40発の洗礼を受けた。
ノッポが持っているノリンコはタイルに落ち、上部レールに取り付けられていたダットサイトは衝撃で取れ、ノリンコとは別の場所へ飛んで行った。
もう一方の入口からは、大城がMASADAを、木下がMP5A4を構えながら突撃を敢行。一方、ハゲの方は未だにフラッシュの衝撃が残っており、まともに動けなかった。難なく取り押さえられ、ノリンコの弾倉を外される。
ノッポの持っていたノリンコの弾倉も外し、銃内部にある一発もコッキングをして、排出する。
「6.8mmか。痛そう…」
ノリンコのマガジンからこぼれ落ちた6.8mm弾を見ての感想だ。自分達が使っている5.56mmの軟質プラスチック弾と、実銃のNATO 5.56mmとでは醸し出している雰囲気が全く違う。一度、重機関銃や対物ライフルに使用する12.7mm弾を見たが、その時は足が竦みそうになるほどの威圧感を放っていた。非殺傷目的の弾と殺傷目的の弾とではこれほどまでに違うのかといまさらながらに実感する。
二人組に手錠を掛け、無線で警察への連絡も済ませた。程なくして、赤いランプを点滅させたパトカーが校舎のすぐ隣にある駐車場に止まった。中から紺色の制服を着た若い警官2人が出て来て、二人組をパトカーに載せた。この時にノリンコとその弾薬も渡す。
「引き渡し完了。後は俺たちに任せてくれ」
若い警官の一人がそう言い、パトカーの助手席に乗る。スカイラインの綺麗なエンジン音が鳴り、パトカーが発車した。
「2学期に入ってからの1件目はあっさり終わったな」
「非常にあっさりだった…」
確かにあっさりだったが、長かった一日だった気がする。一番大きかったのは、芽衣の事だろう。隣を見ると、二日前の事件の鱗片も思い出させないような、そんな表情の芽衣がいた。
「強くなったな…」
芽衣に聞こえないよう、そっと呟いたその言葉は、秋風の吹くその空へ消えていった。
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