ACT.5 「DAY3. 予想外の告白」
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? 今すぐこい?」
相手の反応は早かった。
「なんで?楽しい時間を過ごしてるでしょ?」
「うるせぇ、芽衣が酔っ払った人みたいなテンションになってるから早くこい? 俺だけじゃ処理できん」
「ネガティブ。増援は出せない」
「真田ぁぁぁ?」
反応は無し。通信を切られたのだろう。
振り向くと目の前にあった芽衣の顔は、相変わらず赤い。
敵前逃亡をするか、腹をくくって言うか。選択は後者だ。
「芽衣の事は…好きだと思ってるよ…」
「ふぇっ?」
腹をくくったつもりだが、言ってみると凄く恥ずかしい。
「そ、そうなんだ。良かった」
「何が良かったんだよ…」
「なんでもないよ」
「本当にこの空気をどうにかしてくれ…」
富士の麓の山小屋の裏で二人きり。服装は両方ともA-TACS迷彩服。腰には拳銃と、全くムードという物が欠けている。
腕時計を見ると、もう9時。ここを出発するのは10時30分。SDFの用具はもう片付いている筈だ。
「芽衣、もう戻るぞ」
「う、うん」
キャンプまで駆け足で戻ると、SDF全員が顔をにやにやと笑わせていた。道中では、大城や木下につつかれた。
「どうしたんだよ?」
真田が近寄ってくる。
「プレストークスイッチ、付けっ放しだよ。会話、丸聞こえ」
迷彩服の左胸に付いているプレストークシステムは、スイッチをONにして通信をオンラインにしている間は、喉に付いているスロートマイクが声を拾い、チームの全員が身につけている通信用イヤフォンに、声が流されるという仕組みだ。
左胸を見てみると、付いていたランプはオンラインを示す「緑」だった。
自分でも顔が青ざめていくのが分かった。
「長門、面白かったぞ」
通りざまに新城が肩を叩いてくる。
後ろを振り向いてみると、芽衣の顔も青ざめていた。
「「う、嘘だぁぁぁぁ?」」
この長門、芽衣共同で叫んだ言葉は、後に聞くと10km離れた演習場からでも聞こえた…らしい。
………………………………………
「ぐぁぁぁあ…疲れた…」
「お疲れ様です」
もときた道を今度は東海道線で辿り、学校に帰りついた。新幹線と在来線では早さが全く違うため、約一時間程、行きより時間が遅れた。キャンプを出発したのは10時30分、ここに着いたのは2時だった。
帰校式は先程終了し、生徒は解散となったが、長門達SDFは装備を返却するため、校舎の倉庫に向かっていた。
一年の長谷、土岐、柴田が装備の返却を手伝うため、学校に残ってくれていた。
相変わらず、長門と芽衣以外の2年はニヤニヤと笑っている。その事について、長谷達は不思議で仕方がないらしい。
「ど
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