ACT.5 「DAY3. 予想外の告白」
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マガジンを取り付ける。
「ほら、彼女さんが来たぞ」
外を見ると、芽衣と大城がすぐそこまで来ていた。
「長門君? なんか話してた?」
地獄耳かよ。
「イヤ、ナンデモナイヨ」
顔を不自然に笑わせ、放ったその言葉はかなりインパクトがあったらしい。
「長門君、壊れた?」と芽衣。
「真田、壊した?」と大城。
「壊れそうな話ならした」
真田は相変わらず笑顔だ。
「壊れて無い。早く行くぞ」
真田を引っ張って行き、なんとか脱出する。
警備しながら歩いて行った先は、人の気配があまり無くなった広場だった。
「真田。芽衣には言うなよ」
「分かってるよ。じゃあ、教えてくれたお礼に情報を一つ」
真田の笑顔は崩れない。
「長門の事が好きな人は、チーム3の女子でーす」
「なっ…」
今年一番の衝撃だった。
「なにぃぃぃぃぃ?」
後から聞いた話では、この悲鳴はキャンプの方まで届いたらしい。
………………………………………
「真田ぁぁぁ? どうにかしろぉ?」
自然体験学習三日目。朝からテントの撤収作業を全員で行う中。
「本当に面白いねぇ…」
SDFの面々も詰所や通信装置などを撤去している中、この二人だけは違った。
原因は昨日の言葉だった。
『長門の事が好きな人は、チーム3の女子でーす』
この言葉のせいで、今朝から芽衣の顔がまっすぐ見れなくなっている。それを気にした芽衣が近付いてきたりするから、もう阿鼻叫喚の事態となっている。
なんとか山小屋の物陰まで逃げれた。建物の壁に寄りかかり、腰を降ろす。
「落ち着け…落ち着くんだ…」
「長門君、本当にどうしたの?」
「うわぁぁぁ?」
目の前に居たのは、識別帽を被り、心配そうな顔をした芽衣だった。
「な、なんでもないよ」
ははは、と乾いた笑いを残して立ち去ろうとしたが、芽衣が引き止めてきた。芽衣は悲しそうな顔をしていた。
「長門君。私の事、嫌いなの?」
「な、何故に?」
「だって…今日になってから、私の事を避けてるし…」
「いや、そんな事は無い」
とにかく冷静になれ。そう心の中で自己暗示する。
「じゃあ、私の事、どう思ってるの?」
「な、なななな何を言っているのかな?」
芽衣の顔はいつになく赤い。
なんだこの空気は? おかしいよ。
「言えないの? 私は…」
芽衣はなにかを小さい声でごにょごにょと呟いた。アルコールでも入れてるのか?
「芽衣、酔ってる?」
「酔ってない? 早く言ってよ?」
胸のプレストークスイッチを入れ、通信をオンラインにする。
「真田ぁぁ
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