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101番目の舶ィ語
第三章。音速を超えしもの
第七話。遭遇
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、無理矢理暴くのは失礼に当たります。それが許されるのは『主人公』の中でも『探偵』に属する人だけなので」

人の背中に刃物を突き刺すのは失礼に当たらないのか、などと思ったが言えばザクザクなので黙って頷くことにした。
それにしても探偵か。
探偵というとどうしても『あの男』を思い出す。
死んだと見せかけて、生きてるのが当たり前のように描かれている奴だからな。
もしかしたらこっちの世界でも『あの男』の名前を冠したロアとかがいるかもしれない。

「まあ……俺は普通の『探偵』とかは無理かもな」

武装探偵ならやれそうだけど。

「おおお……いい人達だ……」

赤マントは、一之江の配慮に感激して目を潤ませていた。昨日は殺試合をしたような奴だが案外、こいつは本当は純粋でいいヤツなのかもしれないな。

「いい人でしょう。以後、私を崇めなさい」

「え、崇めないよ??」

「では崇拝するといいです」

「スーハイ?」

「尊敬して凄いなー、とか思うことだ」

「ああ、それならOK! ずっと凄いなーと思ってたもの!」

本当単純な奴だ。これから『赤マントはメリーズドールを崇拝している』という噂が流れてしまったらちょっと申し訳ないと思うが。

「時に私は一之江瑞江。こいつはモンジです。貴女のお名前は?」

「うん? わたしはスナオ・ミレニアムよ!」

苗字は凄いが、名前は性格のように素直だった。
というか、ロアっておいそれと名乗っていいんだっけ?
っていうか、スナオちゃんは本名なのか? 一之江も偽名なのだが。

「なんか凄い『主人公』に仕えている雰囲気ですね」

と、そんなことを考えていたら一之江が情報収集(聞き取り)を始めていた。

「へへん、そうよ。わたしの『主人公』ってば本当に最高なんだから! そっちのモンジとか変な名前の人よりも10倍素敵よ!」

「その人がコンビニの中いるんだな?」

「い、いいいいないってばさ! ぴゅーひゅるりー」

露骨に目を逸らし、下手くそな口笛まで吹き出した。

「ふむ……で、その主人公さんはどんな物語なんです?」

「うん? ふふーん、聞いて驚かないでよね! わたしの主人公は……」

スナオちゃんは得意げに、かなりもったいぶってから平坦な胸を張りながら答えた。


「『終わらない(エンドレス・)千夜一夜(シェラザード)』よ!」

その名を聞いた瞬間、一之江がもの凄く反応して。

「なるほど、流石です。モンジ、とっとと行きますよ」

大慌てで俺の手を引っ張った。

「あ、ああ……じゃ、またな、スナオちゃん」

「はーい、またねー!」


ぶんぶんと手を振るスナオちゃん。一之江はそんなスナオち
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