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101番目の舶ィ語
第三章。音速を超えしもの
第七話。遭遇
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それに一之江の言葉は『忠告』だ。あまり気にしないのが正解なんだろう。
などと考え事をしながらコンビニの前まで歩いたところで。

「あー??」

どこかで聞き覚えのある元気な女の子の声が響いてきた。
声がした方へ顔を向けると、見覚えのある金髪ドリル少女がコンビニの前に座り込んで、Dフォンと思わしき黒い携帯電話を見ていた。

「狙ってた『ベッド下の男』が取られたー!」

街中でそんな解りやすいことを叫んでいた。もうどう考えてもこっち系の子だ。

「話しかけた方がいいのか?」

「まあ、出会ってしまいましたからね」

一之江に目配せしてから、一応警戒して近くことにした。

「よう」

「ん? あー??」

今は普通の女の子らしい私服に身を包んでいる金髪ドリル娘は近づいた俺達に気づくと俺や一之江を指差して口をポカンと開けていた。年齢はやっぱり中学生か、或いは小学生くらいだな。
背も低いせいで、従姉妹の理亜より年下に見えるし。

「こんなところにいるってことは買い物か?」

「そうよ! 張り込みのためにアンパンと牛乳とキャラメルを買おうとしてたんだからっ!」

確かに張り込みの定番アイテムだな。
アンパンと牛乳は。
だがしかし…

「アンパンと牛乳は解るがキャラメルは違うだろう」

「へ? そうなの?
でも私の仲間が張り込みの定番アイテムにはキャラメルもないとダメー、非合理的だって言ってたわよ?」

誰だ、張り込みアイテムにキャラメルを加えたやつは。
まるでかなめみたいな奴だなぁ。
かなめみたいな思考の奴が世の中にいたんだな……はっははは。

「……まあ、好きなもんは人それぞれだからそれは置いておくとして。『ベッド下の男』を張り込むつもりだったのか?」

「当たり前じゃない! 女の子の夜を守るのも正義の赤マントの使命だもの!」

……お前は女の子を攫うのが役目の物語だろ!
まあ、少なくとも正義の為に戦っている『良い都市伝説』なのは確かなのか?

「貴女一人ですか?」

一之江が尋ねると、少女は途端に挙動不審なった。
チラチラ、とコンビニの中を見てはそわそわし始める。

「ひ、一人よ!」

「ふむ。じゃあ俺達が中に入っても問題はないんだな?」

「ちょっ、ばっ、ダメに決まってるじゃない!」

「どうしてだ?」

「このコンビニはわたしたちの占領下にあるからよ!」

「わたし『たち』?」

「しまったー??」

可哀想なくらい解りやすい子だった。
一之江はチラ、とコンビニを見て何事かを考え込むと。

「モンジ、少し歩いた先にある、アイスが充実しているコンビニに行きましょう」

「あれ、いいのか?」

「人が隠すものを
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