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101番目の舶ィ語
第六話。魔王降臨?
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られないくらいの絶望を身に染みらせるがな」

「あれが軽いって……アンタ一体」

「ごめんなさいごめんなさい……忘れさせてごめんなさい」

ショックから立ち上がれないのか、音央は呆然とし。
鳴央ちゃんは泣いたまま、謝罪の言葉を吐いた。

「だが……なかなかいい技だ。
どうだ? 私の下に来ないか?
私の配下(生徒)になれば……。
世界の半分をやろう」

「どこの魔王だよ??」

思わず突っ込んだ俺は悪くない。







「はっくしゅーん……!」






俺が綴に突っ込んだタイミングで全裸にバスタオルを巻いただけという何とも目のやり場に困る格好をした鳴央ちゃんが大きなくしゃみをして。
いただけない気分になった俺達は鳴央ちゃんに優しく言った。

「服、着ようか?」

「痴女がいるな」

「ちょっ、鳴央?? まだあんたその格好だったの??」


「い、いやぁぁぁ______??」

叫びながら鳴央ちゃんが『妖精庭園(フェアリーガーデン)』を解除すると。

「おっまたせー!」

丁度詩穂先輩が学校指定のジャージに着替えて出てきたところだった。

「おりょ?」

「あ……!」

先輩の視線の先にはバスタオル一枚巻いただけの鳴央ちゃんの姿があって。

「わあっ、鳴央ちゃんってダイタンだね! モンジくんに裸アプローチ??」

「えええ?? あ、いや、これは、その、あの、ちがっ!」

耳まで真っ赤にして、手に持ったままのラジオをブンブン振り回す鳴央ちゃん。

「鳴央ー、あんまりそんな格好で暴れるとー」

「え?」

「あっ」

「ほう……!」

俺、先輩、綴の呟きが聞こえた。
っていうか、綴まだいたのか??
あれ? でも先輩は気づいてない?
小さくて見えない……のか。

「あっ……!」

暴れたせいか。
鳴央ちゃんの胸を押さえていたバスタオルの結び目が解け……。
ドキドキしながらヒステリアモードが見せるスローな世界で観察していると。





「おぉっとそこまでです」





「なっ??」

いきなり現れた一之江ボイスと同時に、俺の視界は真っ暗になった!

「なんだ?? 何が起きたんだこれは?? いきなり真っ暗になった?? 鳴央ちゃんの『バスタオルはらり』事件はどうなった??」

「その紙袋は特注品です。いわゆる闇属性です!」

「くっ、事件は暗闇で起きてるんじゃない。
明るい場所で起きたんだ!」

「死になさい!」

グサッ!


一之江に刺されながら思う。
真の魔王は綴なんかじゃない。
より身近にいたんだ、と……。



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