暁 〜小説投稿サイト〜
101番目の舶ィ語
第六話。魔王降臨?
[4/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ペシャリスト。
尋問科(ダギュラス)の問題教師だったのだから。

「んじゃ、サクッとやっつけちゃいましょ」

「そうですね。このまま放置もできませんし、やっつけちゃいます」

サラッとやっつけちゃうという二人。
綴の強さ(化け物度)を知らない二人は簡単な感じで言ってるが。

「いや、あのな……二人とも」

止めようと思ったが遅かった。

「それでは、いきますね」

俺が口を挟む間もなく、音央ちゃんの口からその言葉が出た。

『奈落落とし(アビスフォール)』」

鳴央ちゃんの口から物騒な言葉が出たと思った瞬間。
茨の蔦に絡まれていた綴の背後から『ピキン』というガラスに亀裂が走ったみたいな音が聞こえ、直後、その音の発生源に黒い線が走り______。
そこには巨大な暗黒の『穴』が発生していた。

「うわぁ、何だよ……あれ??」

その『穴』は見ているだけで根源的な恐怖が呼び起こされるような、身震いしてしまうような威圧感を放っていた。そう、全てを飲み込み、そして吸い込まれたものは二度と戻って来れなくなるブラックホールのように。

「何って、あんたもあれに落ちたことあるじゃない」

音央の言葉に、我に返った俺はマジマジとその『穴』を見つめる。

______この、『穴』ってもしかして……?

「……飲み込んだ存在を完全に消し去る、『神隠し』の向こう側の世界です」

鳴央ちゃんのその言葉で俺は確信した。
この『穴』はかつてその彼女……今は鳴央と名乗っている音央と共に落ちたあの暗黒の世界の入り口だということを。

「じゃ、落とすわよ?」

「はい」

あっさりゴミを捨てるみたいに、音央は綴の全身に巻き付いた茨を解いて。
解放された綴はそのまま、真下に現れた暗黒の穴に落とされていき。

「ちょっと待て。まだタバコ吸って……うおぉぉぉー」

そのまま黒い穴の奥底へと落ちていった。

「……やった、のか……?」

「あの穴の空間は、自分の存在すら忘れて穏やかなまま消えていくだけの場所。ロアにとっては……最も安息出来る居場所となっています」

「人間の俺にとっては、何も無くて寂しい場所だったけどな」

「はい。貴方が彼処から戻ってこれて、本当に良かった」

俺達が見ているうちに、その『穴』は何事もなかったように消えていった。
本当にやった、のか?
あの綴を……倒せた?
ははっ、やっちまったぜ!
俺だけでは到底敵わない敵(人間辞めてる化け物)な綴だが。
仲間がいればなんとかなる。
いや……それもこれも彼女達だから出来たんだ。
これがあの一之江やキリカが恐れた神話クラスの都市伝説。
『神隠し』の力なのか……。

「さて、早いとこ戻りましょ。
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ