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101番目の舶ィ語
第六話。魔王降臨?
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取り逃がすことはありません、モンジさん」

濡れたままで、バスタオルを巻いた鳴央ちゃんが声をかけてきて。
その声が聞こえるのと同時に。
巻きついていた茨の蔦は俺を解放し、拷問器具と綴のみを茨の蔦で覆って拘束していた。
鳴央ちゃんの方を向こうとして、すぐに視線を逸らした。
逸らさないといけなかった。
何故なら……

「見たら殺すわよ」

茨の蔦や花でピンポイントで体の大事な場所を隠している音央が、庭園の中央にいたからだ。

「……ああ、うん。悪い……」

裸の美少女が大事な場所を手で隠すその仕草。
それはそれでドキドキする格好だったが、あまりジロジロ見るわけにはいかずに。チラチラっと音央をチラ見しつつ。
視線を綴の方に向けると。
綴は、音央が操る茨に巻き付かれて身動きが取れないでいる。

「やった……のか?」

あの綴を捕獲した……?
こんな簡単に……。

あまりにあっさりと捕まった綴を見て、俺が呆然とする中______

「で、こいつ、何?」

音央は腰に手を当てながら、首で綴を示した。

「あ〜、ソファの下にいたんだ」

「ソファ? だって、『ベッド下の男』なんじゃないの?」

音央の疑問ももっともなんだが……

「あっ、そっか。……会長さんが『ソファにお布団を持ってきて寝ている』って言っていたから……ですね」

鳴央ちゃんが思い出したように言った。
その通りなので俺も頷く。

「だろうなぁ。つまり、こいつにしてみればソファがベッドなんだ」

「小さな女の人? ああ……小人のロアなんですね」

鳴央ちゃんは綴を見て頷いた。
綴が何故小さな姿になっているかは俺にはわからんが……ああ、やっぱり小人のロアというものはいるんだな。

「ベッド下の男……のロアなのに、どう見ても女だよな……」

「それはそんなに珍しい事ではないですよ。〜男というロアでも実際には可愛い女の子とかだった、なんて話もありますし……」

ああ。そういえば一之江も似たような事を言っていたな。ロアは女性がなる確率が高いとか、なんとか。
という事は綴がロア化しても特に不思議ではないという事か?
……いやいや。やっぱりおかしいぞ。
最近、非現実かつ、非日常的な出来事に慣れた生活を送っていたからか、以前よりもオカルトを受け入れられてる俺だが。やっぱり綴がここに存在している事は違和感しかない。
それは……赤マントのロアの時とは前提が違うからな。
赤マントが女性のロアでも受け入れられたのは、俺とは面識がない他人だからだ。
だがこの『ベッド下の男』は違う。
なんたって……綴はこの世界の人ではないのだから。
前世に通っていた学校の教師。
それも犯罪者や生徒に拷問紛いな尋問をするス
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