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101番目の舶ィ語
第六話。魔王降臨?
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なー」

何だ?
何の話をしてるんだ?

「うん、悪いけど……ここでリタイアしてくれ」

一人納得してから綴は呟いた。

「『狂気の拷問者(マッドクイーン)』」

空間に現れたのは、鉄の処女(アイアンメイデン)、三角木馬、巨大斧の振り子(ペンデュラム)、水責め椅子……etc。
綴が一言呟いたそれだけで。
俺を取り囲むように様々な拷問器具が具現化した。

「さーて、楽しい時間(拷問)の始まりだー!」

綴がそう言った直後。
まるで意思があるかのように拷問器具は自動的に作動して俺を傷つけようと襲ってきた。
鉄の処女(アイアンメイデン)は内側の血に塗れた無数の刃がチラッと見えて。
大きな振り子斧はビュー、ビューと風を切るように鋭い音を出して。
三角木馬は三角の部分が鋭い刃物のようになっていて。
水責め椅子は体を固定するはずの縄が頑丈な鉄鎖に一瞬で変化したのが見えた。

(おいおいおいおいおいおい……??)

嫌がらせか! と思える過剰な拷問器具を見た俺は。

(行くぞ! 『潜林』!)

ヒステリアモードの反射神経により、しゃがんで這うように進みながら迫りくる拷問器具の一撃を回避してその場を離脱した。
とにかく逃げなければ!
そう思った俺は全速力で走って。
逃げ込んだ先はお風呂場がある方向だった。

直後。

ザザザザザザザザザッ??

あの富士蔵村で聞いたラジオのノイズが辺りに響いた。

「モンジさん!」

ガチャ、っとバスルームの扉が開き。そこから勢いよく飛び出してきたのはラジオを右手に、左手で自分の濡れた体にバスタオルを巻きつけながら走る鳴央ちゃんだ。
そのセクシーすぎる彼女の格好を見た俺の血流は最早止まらない!

「ちょっ、鳴央っ?? そんな格好でっ!」

バスルームの奥からはそれを咎める音央の声が響いた。

「音央ちゃん、ですが……きゃあ?? 早くしないとモンジさんが拷問されちゃいます!
って、モンジさん??」

俺は背後を振り向かないようにして。
スピードを落とさないまま、音央がいるであろうバスルームへと入ろうとして______。

バスルームから溢れ出た大量の茨の蔦により俺の体ごと、俺を襲っていた拷問器具は壁に抑えられた。
リビング全体に茨の蔦が伸びている状況だ。

「鳴央っ、あの場所に連れて行こ!」

「わ、解りましたっ! 『妖精庭園(フェアリーガーデン)』!」



鳴央ちゃんが叫んだ直後、辺りは茨の壁に囲まれた美しい広大な庭園に変わった。
花壇には色とりどりの花が咲き乱れていて……ああ、ここは。
『神隠し』の先、音央と鳴央ちゃんの『居場所』だった空間だ。

「はふぅ……これでもう、絶対に
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