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101番目の舶ィ語
第五話。ベッド下の怪人
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て、俺のドキドキをヒートアップさせていた。
ようは、つまり……。
またヒスりそうになっていたのだ。

「んふふ、どうしたのん?」

(うっ……??)

よりによって、先輩はソファから降りて四つん這いになった体勢で俺に近寄ってきた。
湯上がりの先輩の髪。そこから漂う花の香りを模したシャンプーの匂い。
濡れた長くて綺麗な髪。
パジャマの隙間から今にも飛び出さんとしているかのような山を持つ、豊かな谷間。
俺は今、視線を外したくても外せない状況に陥った。
視線を外せば先輩の豊かな谷間(危険ゾーン)を直視しなくてすむ。
だが、あからかさまに視線を逸らせば先輩を傷つけるかもしれない。
それに……俺の中のもう一人の俺はこのまま先輩の胸を見ることに賛成している。

「い、いや、先輩が……可愛くて」

歯切れが悪いのは先輩の胸を凝視してしまった事への罪悪感と気まずさからだ。

「あら、ありがとっ! モンジくんも可愛いよ?」

「ふぇ?」

「女の子の部屋で、お風呂上がりのわたしを見て、ドキドキ緊張してる顔が、なんだかとっても可愛いもの」

チキショーやられた。
先輩に弄ばれてる感じがするが……怒るに怒れない。
こっちの(・・・・)俺ではとくに。

「うん、それは、ほら……詩穂先輩が魅力的な女の子だからだよ?」

「っ?? ……ありがとう」

「詩穂先輩のような魅力的な可愛い女の子が俺の先輩なんて。俺は幸せ者だよ?」

「ふにゃぁ……可愛い、私が?」

「ああ。詩穂先輩はとっても可愛い、魅力的な女の子さ」

______ダメだ。止まらない。

「詩穂先輩……いや、俺の詩穂はやっぱり最高だね!
どうだい、君も俺のも」

ヒステリアモードの俺が一世風靡の告白をしようとした……まさにその時。

「ひゃああああ! こ、こら鳴央! へんなとこ触らないで!」

「音央ちゃんの肌ってほんっと、綺麗ですよね……」

シャワ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜、っと解りやすいシャワーの音と共に、そんな会話がエコーして聞こえてきた。
先輩の家の風呂はデカい。
先ほどまで先輩が入っていたそこに、今はダブルボインな姉妹が入っているのだ。

「______あいつら……」

俺の顔はさぞかし真っ赤になっているだろう。
告白を仕損なったから……というのもあるが。美少女がお風呂でキャキャウフフとはしゃぐ姿を想像してしまった、というのが一番の理由だ。

「んふふふ、楽しそうだよね、二人とも」

楽しそうに笑う詩穂先輩。
先輩がいる前で他の子のことを想像してしまうのはどうかと思うが。
それでもお風呂ではしゃぐボインな美少女の姿を妄想してしまうのは悲しいことに男の性というやつだ。
ちなみに
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