暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story4:二人の美しい女性(ひと)
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が私の見込んだ通りの人なのかどうか、ね」


 なんだそりゃ、なんか試されているとでも言うのか?


「最後にもう一つ、心ばかりのプレゼントよ」


 彼女の言葉に少ししかめっ面になっていると、彼女はファイルを開いて何かのデータを取り出した。
 そして俺に向けて指でスライドさせると、そのデータは光の球となって、俺の身体に入り込んだ。


「…!? 一体何を…」

「今送ったのは、『ハッキングスキル』。それはデジモンを使役することで発揮される力よ。ハッカー御用達の、とても危険な力」

「ハッキング…俺はハッキングなんてするつもりは…!」

「それでもきっと、あなたの役に立つはずよ。それに力は持つ人の意思一つでどうにでもなる、どう使うかはあなた次第よ」


 だけどこれだけは憶えておいて、と御神楽さんは捕捉をする。


「あなたは、デジモン達と特別な絆を深めることができる。デジモン達と生き、喜び、哀しみ、そして成長しなさい。絆を深めれば、きっと、デジモン達はあなたを助けてくれる。いずれそれは、とても大きな力―――あなたの運命をも切りひらく程の力になる」

「運命を…切りひらく…」

「『コネクトジャンプ』…あの不思議な力を、そう名付けたのね」

「ッ!? なんでそれを!?」

「ふふ…女性に秘密は付き物よ」


 うッ、なんか大人な感じの受け流しをされた気がする……


「あの力については、私もわからない…ハッキングスキルに似ているけど、何かが…違う。ただ、あなたを導く特別な力であることは確かよ」


 それじゃ…これからもよろしくね。
 彼女はそう言うと、軽く手を振ってくる。見送ってくれるようだ。

 どうやら、彼女とはこれからも関わっていくようだ。それもなんとなくだが、長い付き合いになりそうな予感……


「あぁ、よろしくお願いします―――御神楽さん」

「ふふ…ミレイでいいわ」


 御神楽さんの返事には、曖昧な笑みを浮かべ、俺はログアウトゾーンに乗っかった。


「確か『クーロン』に向かう途中だったわね? 今回だけは、特別に出口を繋いであげるわ。次からは“アクセスポイント”から、ここに尋ねてきてね」

「はい、では…!」


 俺がそう言うと、視界が再びホワイトアウト。おそらく次に到着するのは、クーロンであろう。
 テリアモンは無事だろうか、少し不安を募らせるも行ってみなければわからないと自分に言い聞かせ、俺は足が地に着く感覚を待った。





 
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