暁 〜小説投稿サイト〜
DIGIMONSTORY CYBERSLEUTH 〜我が身は誰かの為に〜
Chapter1「暮海探偵事務所へようこそ」
Story4:二人の美しい女性(ひと)
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また、聞こえた。さっきよりもはっきりと。途中暮海さんの声も聞こえたがそれよりもはっきり聞こえた。
とぶ……よくわからないが、取りあえず……
そう思ってテレビの画面に向けて、右の手の平を翳してみる。
するとテレビと俺の間に、青いデータの穴が開き、俺の身体がそこへ吸い込まれていった。
気がつくと、そこは何かの通路のような場所だった。
通路、と言っても現実のそれではなく、データでできたものだ。
これがなんなのかはわからないが、どうやら先があるようだ。取りあえず、進んでみるとしよう。
しばらく進んでいると、データの通路も終わり出口が見えてきた。そこを潜って出てみると、そこはなんと―――EDENだった。
EDENの床に着地して、振り向いてみる。出口であたものが、すぐさま消えてしまった。どうやら戻る事は出来ないようだ。
さて、ここはEDENのどこだろう。
そう思っていた矢先に、デジヴァイスに通信が入った。この状態で操作できるか不安だったが、取りあえず出てみることに。
『―――暮海杏子だ。私の声が聞こえているか?』
「暮海さん? なんで俺のデジヴァイスの番号が…?」
『危ういタイミングだったが、キミのデジヴァイスの反応を何とか追跡できてね。後は少し調べれば…と言ったところだ」
通信の相手は暮海さんだった。しかし、勝手に人の個人情報を見るなんて、怖い事をする人だな……
『…一体、何が起こったんだ? キミの姿が、まるで端末に吸い込まれるように…消えた』
「……はい、実は…俺も不思議で仕方ないんですが、誰かに『とべ』と言われたんです。それでテレビの方に手を向けたら、なんかデータでできた通路のようなところに出て、進んでみたらEDENに…」
俺の説明を聞いた暮海さんは、「なるほど…」と顎に手を当てて少し思考する。
『キミが通ったのは、まさしくネットワーク回路の流れの中だろう。事務所の端末は、EDENネットワークにも接続している』
「じゃあ俺はそのネットワークを通って、EDENに来た…そう言う事ですか?」
『おそらくな。キミにとってネットワークは、まさしく“道”として視覚化されるようだな』
「視覚化…テレビに見えた青いアレは、接続されていたネットワークだったのか…」
『しかし、現実世界から電脳世界への遷移(せんい)が、そこまでダイレクトに実行できるとは、驚きだな…』
と、申されましても、俺にはピンとこないんですが……
『端末接触による、電脳世界への潜行(ダイブ)…いや、跳躍(ジャンプ)か…』
「…? あの、暮海さん? どうかしましたか?」
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