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ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第22話 四魔女の一角:エレノア・ラン
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いだろ?」
「は、はい。それは勿論です」

 ユーリはそう言うと、ランス達が向かった方へと歩いていった。

 ランスならば、即座にトドメをさしてもなんら不思議じゃない。……もう手遅れか?とも思ってしまったが、それは杞憂だった。
 ランスは、こっちへ歩いてきており、バードも何やら立ち尽くしている様子で無事だった。

「なんだ? 貴様。さては、盗み聞きをしていたのか?」
「何、今来たばかりだ。何も聞いてない。……一応殺すな、といいに来たつもりだったけど、手間が省けた」

 ユーリはバードの方を見ながらそう言っていた。出血自体は、血止めを当ててるようで止まりかけている。後は世色癌があれば、大丈夫だろう。

「ふん。あんな負け犬。剣の錆にもならんって事だ」
「……成程な」

 ユーリは何か納得した様子でそう言っていた。

「がはは。兎も角、少々疲れたからな、一度町へ戻るぞ!シィルをヤって仕切りなおしだ!!」
「はいはい」

 ユーリは苦笑いをしつつ、そう返事をする。ランスはそのまま大股で3人の元へと戻っていった。残ったのは少し離れた所でバードがまだ立ち尽くしていた。

「何故なんだ……、何故シィルさんはこんな男に……」
「好きになった、惚れたは本人の自由だろ? 今は拾った命を粗末にしない事だ」
「キミは……」

 バードは漸くユーリが来ていた事に気づいたようだ。

「あんな男に惚れるなんて、間違えてるんだ。いつか、シィルさんを助け出す」
「……勘違いも程々にしないと痛いだけだぞ。それに、お前は助け出すと言っていたが、本当に危なかったのは、ランに襲われていた時の彼女だったんじゃないのか?」
「っ……!!」

 バードは、顔を俯かせていた。どうやら、ランスにも似た様な事を言われたらしいと察しが付いた。

「冒険者をやってたらわかると思うが、自分も守れないのに他人を守るなんて無理だろう。お前は仲間の冒険者達、今日子さん、そしてシィルちゃん。……今回だけで、いったい何人守れなかったんだ?」
「そ、それは……」

 ユーリは目を細めてバードを見据えていた。今回の件は、間違いなく彼の判断ミスが招いた事だと確信をしていたのだ。

 聞けば、彼のパーティでは戦士、レンジャーの構成。

 今回の様な異常な力を持つ魔法使いを相手にするには実力が伴わない。相手の力量を計る。自分達の手に負えるかどうか。その決断力も、リーダーには必要不可欠なスキルだ。それが、足りてなかったからこそ、メンバーを半壊させてしまい、情報屋である今日子も巻き込み、シィルも守れなかったのだ。

「……今は傷を治せ。そして一から鍛えなおしてみろよ。強くなってからランスに挑めばいい。無事でいられるかどうかは保障しないがな」
「……は
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