第2章 反逆の少女たち
第22話 四魔女の一角:エレノア・ラン
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も少しだけ、本当に少しだけ思える。死まで考えていた彼女が、立ち直った事、そして笑顔を上手く出来るようになった事をだ。
『……安いもんさ』と格好良くは言えないが、『とりあえずは良い』と言う事だった。
「えぇい! いつまでも抱きついているんじゃない。こら!」
「きゃんっ! で、でも……」
その頃、のランス達。
ランスはシィルを振りほどこうとしていた。この時、3人がランス達を見ていなかったのは、ランスにとってはラッキーだったとしか言えないだろう。
そんな2人を見ていた者がいた。
「……君がランスか」
左肩口から先がバッサリと斬られている男がいた。傷を圧迫し、出血を抑えようとしているようだが、まだ 止まる事なく流れている。
「……重症じゃないか。意識ははっきりしてるな。不幸中の幸いだ、これを使え」
ユーリは、バードの姿を見て 血止め、世色癌を渡した。
「……すまない。僕はこの男ランスと話があるんだ。僕は大丈夫。頼む、この男と2人にしてもらえないか」
「なんなんだ? 貴様は。オレ様は男と2人になるような趣味は無い」
「バードさん……」
「……」
ユーリは何も言わず、シィルは、あぐねいていた。彼から告白をされた事はまだ覚えている。シィルははっきりと、断れなかったが 意志は示す事は出来た。
それを見れば、判る筈だが バードは諦めきれてなかったようだ。
そして、ランスは何だかんだと言いつつもバードと一緒に物陰に消えていた。
「……何かあったのか?」
「あ、……はい。その……」
シィルは、ユーリに妖体迷宮であった出来事を話していた。
彼に助けられて、そして告白をされた事。……ランスを選んだ事を。
正確に全てを話していた訳じゃないが、ユーリは、大体の事を理解した様だ。だが……。
「と言う事は、あの男は今日子さんの手前だったのに、シィルちゃんに求婚を?」
「あ……。はい」
シィルは少し困ったように頷いた。確かにランスも節操無しで 沢山の女に手を出す色魔だといえる。だが、バードのそれも 悪いだろうと思えた。
簡単に言えば惚れっぽい性格、そして 女垂らしの可能性も否定できない。
「はぁ、ランスとは違った意味で困った男だな だが、シィルちゃんを助けてくれたのも事実」
ユーリはそう言う。
シィルはもう仲間だ。
ユーリは一度でも仕事を共にした者、互いに力を合わせて戦った者は仲間だと思っている。マリアやミリも勿論そうだ。そして先の大仕事で一緒に戦ったランス達尚更だ。
「世色癌、血止めだけじゃ、安すぎるな。ランスは男相手には容赦ないから 情けをかけるように言っておくよ。シィルちゃんも助けてくれた相手が……だったら目覚めが悪
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