第2章 反逆の少女たち
第22話 四魔女の一角:エレノア・ラン
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は、別の技能。その人固有の技能と言う事になると思える。聞いたことが無いから、稀少な技能だろう。だからこそ、話したくないのだとシィルは判断した。
「がーっはっはっは!! これで、3人目御貫通だ〜〜!」
「いやぁぁぁ、いた、痛いーーー!!」
「ぁぁ……ラン。気持ち、凄く判る。でも……頑張ってとしか……」
マリアは後ろで破爪の痛みに悲鳴をあげているであろう彼女を思い、手を合わせていた。こうして、ランス達はランの処女を奪い、3つ目のフィールの指輪を手に入れたのだった。
その後。
「えっ えっ…… ひっく、ぐすん……」
涙を流し、ぺたりと地面に座り込んでいるのはランだ。さっきまでの姿とは思えない変貌ぶりである。理由は明確。指輪の魔の力が抜けた彼女は、マリアが言うように元の優しい女の子に戻ったのだ。だが、自分のしてきた事を忘れるわけじゃない。だからこそ、彼女は止まる事のない涙を流し続けていた。
自分のした事を、後悔しているんだ。
「ラン、元気を出して、みんなあの指輪が悪いのよ」
「で、でも……私は、町の人たちにあんなことを……お友達だったコたちに酷い事を……もう町に帰れない。合わせる顔なんて、無いわ……もう、死んでお詫びをするしか」
ランがそう言ったと同時に、彼女の頬が弾かれた。ユーリが彼女の頬を叩いたからだ。
「今のセリフは簡単に言っていいものじゃない。……お前は、自分のしてきた事から目を逸らして逃げるつもりか? まだ、終わってないんだぞ?」
「っ……!!」
ランは、叩かれた頬を抑えながらユーリの顔を見た。
「いつまでも、そんな顔をするな。マリアの様に前を向けよ。……死ぬことは何にもならない。ただ、悲しみが生まれるだけだ」
「で、でも……私のせいで、皆が……悲しみなんて「少なくとも」っ……」
「……ここにいるマリアは勿論、ミルもそう。酒場のエレナ。君を信じて待ってる人達皆が悲しむことになる。当然、真実を知ってるオレやランスもな?」
「馬鹿者。誰が悲しむだ。……だが、迷惑を掛けたと言うのなら、町のために尽くせばいいのだ。マリアを見てみろ。役立たずだが、必至になって町と仲間の為に動いているんだぞ?」
「一言余計よ!」
マリアは、見てみろ〜辺りまでは、聞き入っていたのだが、≪役立たず≫の単語を聞いた途端に反射的に声を出してしまっていた。
「兎も角だ。自殺なんかするんじゃないぞ? そんな事したら、オレ様が死体にいじわるするからな」
ランスはそう言うと、後ろを向いていた。どうやら、少しばかり恥ずかしいようだった。
「アイツなりの優しさだ。……初対面は誰でも最悪だと思うが、真に悪い男ではないだろ? ……ラン。わかったな?」
「う、うん……、私、私……」
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