暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第2章 反逆の少女たち
第22話 四魔女の一角:エレノア・ラン
[4/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
自分が何度も何度も助けを求めた人だった。

「ら、ランス……様ぁ……!」
「がはは! なーに楽しそう……じゃない! お前がエレノア・ランか? 俺の女に手を出すとはふてーヤツだな?」
「お、女って言ったか? 奴隷じゃなくやっぱそう思ってたんだな、ランス」
「違うわ! 言葉の綾というヤツだ馬鹿者! こいつは奴隷! それ以上でもそれ以下でもなーーい!!」

 ランスは、ユーリの言葉に慌てて否定をしていた。
 いつもいつも、ユーリはランスに言われ続けているから、今回はランスの弱点を付いたのだ。ユーリにとっては顔。ランスにとってはシィルと言う女性なのだ。だが、今は遊んではいられないと思うのだが……?

「ちょっと、2人とも! 今はそれどころじゃないでしょ! ランっ!!」

 マリアが遅れて前に出てきた。彼女が、変な流れを断ち切ってくれた。

「お願い、私達の言う事を聞いて!! その指輪には恐ろしい悪の作用があるの。そう、あのラギシスそのものなのよ! お願いだから、それを外して優しかったランに戻ってっ!」

 マリアは、目に涙を溜めながらそう訴える。だが、指輪の魔力の前では想い言葉は無力だった。これまででも同じだったのだが、マリアはそれでも言いたかったのだ。

 友達……、親友だから。だが、その言葉をランは一蹴する。

「何を訳のわからない事を……。それに、マリア! あなた、そんな男達の軍門に下って恥ずかしくないの? ミルの漫画と同じ通りみたいね、アンタ!」
「え……? 漫画?」

 マリアは思いもよらない単語が返ってきたせいか、少し疑問を浮かべていた。

「……ふん。こっちの話よ。さぁ、そこで見てなさい。私がその男たちを倒すわ!」
「がーーっはっはっは!! お前如き器用貧乏魔女がオレ様を倒すだと? 片腹痛いわ!」
「きよっ!! 殺すっ!! 絶対に殺すっ!!」 

 どうやら、何処か気にしていた様だった。殺意を漲らせながら、ランは、目を見開いた!!

「だ、だめっ! ランスさま、それを見たら……!!」

 シィルが叫んだその瞬間。ユーリが、持っていたフードを広げつつ、視界を遮った。

「くっ 味な真似を!」

 突然視界を遮られたのを見て、ランはすぐさま剣を振るった。

「成る程、ランの魔法は どうやら、目を媒介にして幻覚を生み出すみたいだな?」

 ユーリは、そう分析した。シィルの言葉もあり、間違いないだろう。

「うふふ……、その通りよ。で、どうする? 目隠ししたまま、私と戦ってみる? あの情けない男みたいになるのが目に見えてるわ。何人いようと関係ないのよ」

 ランは笑いをあげていた。
 自分自身に酔ってしまっているかのように……、指輪に侵された者はこう言う傾向になるのだろ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ