第2章 反逆の少女たち
第22話 四魔女の一角:エレノア・ラン
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自分が何度も何度も助けを求めた人だった。
「ら、ランス……様ぁ……!」
「がはは! なーに楽しそう……じゃない! お前がエレノア・ランか? 俺の女に手を出すとはふてーヤツだな?」
「お、女って言ったか? 奴隷じゃなくやっぱそう思ってたんだな、ランス」
「違うわ! 言葉の綾というヤツだ馬鹿者! こいつは奴隷! それ以上でもそれ以下でもなーーい!!」
ランスは、ユーリの言葉に慌てて否定をしていた。
いつもいつも、ユーリはランスに言われ続けているから、今回はランスの弱点を付いたのだ。ユーリにとっては顔。ランスにとってはシィルと言う女性なのだ。だが、今は遊んではいられないと思うのだが……?
「ちょっと、2人とも! 今はそれどころじゃないでしょ! ランっ!!」
マリアが遅れて前に出てきた。彼女が、変な流れを断ち切ってくれた。
「お願い、私達の言う事を聞いて!! その指輪には恐ろしい悪の作用があるの。そう、あのラギシスそのものなのよ! お願いだから、それを外して優しかったランに戻ってっ!」
マリアは、目に涙を溜めながらそう訴える。だが、指輪の魔力の前では想い言葉は無力だった。これまででも同じだったのだが、マリアはそれでも言いたかったのだ。
友達……、親友だから。だが、その言葉をランは一蹴する。
「何を訳のわからない事を……。それに、マリア! あなた、そんな男達の軍門に下って恥ずかしくないの? ミルの漫画と同じ通りみたいね、アンタ!」
「え……? 漫画?」
マリアは思いもよらない単語が返ってきたせいか、少し疑問を浮かべていた。
「……ふん。こっちの話よ。さぁ、そこで見てなさい。私がその男たちを倒すわ!」
「がーーっはっはっは!! お前如き器用貧乏魔女がオレ様を倒すだと? 片腹痛いわ!」
「きよっ!! 殺すっ!! 絶対に殺すっ!!」
どうやら、何処か気にしていた様だった。殺意を漲らせながら、ランは、目を見開いた!!
「だ、だめっ! ランスさま、それを見たら……!!」
シィルが叫んだその瞬間。ユーリが、持っていたフードを広げつつ、視界を遮った。
「くっ 味な真似を!」
突然視界を遮られたのを見て、ランはすぐさま剣を振るった。
「成る程、ランの魔法は どうやら、目を媒介にして幻覚を生み出すみたいだな?」
ユーリは、そう分析した。シィルの言葉もあり、間違いないだろう。
「うふふ……、その通りよ。で、どうする? 目隠ししたまま、私と戦ってみる? あの情けない男みたいになるのが目に見えてるわ。何人いようと関係ないのよ」
ランは笑いをあげていた。
自分自身に酔ってしまっているかのように……、指輪に侵された者はこう言う傾向になるのだろ
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